NVIDIA

お使いのブラウザーは対応していません。

お使いのウェブブラウザーはこのウェブサイトでは対応していません。いくつかの機能が正常に動作しない可能性がございます。アップグレートいただくか下記のブラウザーのどれかをインストールください。よろしくおねがいします。

一連のスタートアップが、英国最高性能を誇るスパコンでデジタル バイオロジー分野にブレイクスルーをもたらす

hdr-startups-harness-cambridge-1-supercomputer

英国に拠点を置く NVIDIA Inception メンバー企業 4 社が Cambridge-1 システム上で AI とシミュレーションを駆使し、ヘルスケア研究を推進

NVIDIA Inception のメンバー企業 4 社が、英国最高性能を誇るスーパーコンピューターである Cambridge-1 を活用するスタートアップの第一陣として選ばれました。

今回、Cambridge-1 を利用してデジタル バイオロジーの分野におけるブレイクスルー実現を目指すのは、英国企業の Alchemab Therapeutics、InstaDeep、Peptone、Relation Therapeuticsです。

昨年 7 月に正式に稼働開始した Cambridge-1 (NVIDIA DGX A100 システム、BlueField-2 DPU、および NVIDIA InfiniBand ネットワーキング ソリューションを搭載した NVIDIA DGX SuperPOD クラスター) は、アクセラレーテッド コンピューティング、AI、ライフ サイエンスに投じた NVIDIA の数十年にわたる取り組みの結晶です。ロンドンとケンブリッジの中間地点に設置されたこのスーパーコンピューターは、世界最速ランキングでトップ 50 入りを果たし、再生可能エネルギーから 100% 電力を調達しています。

創設パートナー 5 社はすでにヘルスケアの発展に向けて Cambridge-1 を利用しており、AI を用いて認知症のような脳疾患の研究や新薬の開発などが進められています。

そして現在、前述のスタートアップ 4 社も、創薬、ゲノム配列解析、疾患研究を加速すべく、Cambridge-1 を活用する準備を進めています。

各社とも、最先端テクノロジで業界に革命をもたらそうとしているスタートアップの育成を目的とした無料プログラム、「NVIDIA Inception」のメンバーです。メンバー企業には、NVIDIA Deep Learning Institute で使えるクレジットやマーケティング サポート、エキスパートからの技術支援など、各社に合わせた一連の特典が提供されます。

Alchemab Therapeutics: 抗体治療法の発見

Alchemab Therapeutics は、新薬の標的や治療法の発見、患者層別化ツールの開発を、まずは神経変性疾患とがんに焦点を当て行っています。

Alchemab のテクノロジ担当責任者、ジェイク ガルソン (Jake Galson) 氏いわく、その抗体創薬エンジンは「自然界でもっとも効果的な検索エンジンである適応免疫」に基づいています。これは、人の免疫系が病原性タンパク質に反応した際に形成される免疫の型であり、たとえばがんによって生成されるものや、感染後など外部からの微生物によって生成されるものがあります。

Alchemab のプラットフォームは、疾患と闘う抗体を生み出す B 細胞の配列を決定してから、感染しやすくかつ特定疾患への回復力がある人々の抗体反応をコンピューティングによって解析します。

「ヒト抗体変異体はおよそ 10 兆種が考えられます。Cambridge-1 へのアクセスによって、その大量のデータから有意な表現を学習できるまたとない機会が得られます。これにより、抗体の構造や機能の理解が深まり、ひいては新たな治療法の発見と開発に役立つでしょう」とガルソン氏は述べています。

グローバル AI カンファレンスの GTC にご登録いただいた方は、抗体の言語を解読する Alchemabのセッションのリプレイをご視聴いただけます。

InstaDeep: 生物学のための意思決定システムを開発

NVIDIA パートナー ネットワークの Elite メンバーである InstaDeep は、次世代のワクチンおよび治療法の開発に役立つ、 AI 搭載の意思決定システムを提供しています。

同社はゲノム データを使用して大規模な AI 言語モデルのトレーニングを行い、そのモデルをヘルスケア研究者に共有して、タンパク質設計や分子動力学シミュレーションに利用できるようにしたいと考えています。

InstaDeep の共同創業者/CEO のカリム ベグワ (Karim Beguir) 氏は次のように述べています。「現在、45 万種から 120 億以上のヌクレオチド配列が一般公開されています。研究者やライフ サイエンス分野の担当者は、ゲノム配列解析からデータに基づく洞察をもたらす大規模モデルの大いなる恩恵を得られることでしょう。」

Cambridge-1 へのアクセスによって、InstaDeep はスタートアップとして「コンピューティング能力と野心を大きく広げ、患者のための新規治療法の開発におけるやりがいのある課題に取り組むことができます」と、同氏は述べています。

生物学の分野における AI 言語モデルの応用例の詳細を、ハイパフォーマンス コンピューティングによるタンパク質研究の変革に関する InstaDeep の GTC セッションでぜひご視聴ください。

Peptone: 変性タンパク質に関する洞察を提供

昨秋、スタートアップとして Cambridge-1 へのアクセスの早期承認を得た Peptone は、物理エンジンの「Oppenheimer」を開発しています。固定された三次元構造を持たないタンパク質である天然変性タンパク質 (IDP) の構造に関して詳細な洞察を得るのに役立ちます。

IDP に起因する疾患は一般的に治療が困難ですが、Cambridge-1 によって Peptone は「通常は創薬不可能な IDP を創薬の標的となり得るものに変える」ための性能が手に入ると、同社の創業者/CEO であるカミル タミオラ (Kamil Tamiola) 氏は述べています。「このスーパーコンピューターのおかげで、何百万種ものタンパク質に対する高スループットの推論を並行して数時間で行えるようになるでしょう。Oppenheimer では、高度な原子論的生物物理学実験と、NVIDIA DGX A100 システムをベースとする次世代スーパーコンピューティング スタックを組み合わせています。」

最終的に、同社はそのコンピューティングを利用して、特定の IDP を標的とする一連の画期的医薬品 (ファースト イン クラス) を独自開発する予定です。

Relation Therapeutics: 疾患原因のマッピング

また、スタートアップの Relation Therapeutics では、単細胞プロファイリング、ヒト遺伝学、機能ゲノミクスと、機械学習を組み合わせることで、人間生物学への理解の深化を目指しています。

RelationTx は、グラフベースのレコメンダー システム テクノロジを利用して、疾患の因果関係を明らかにします。RelationTx のプラットフォームは、創薬で注力すべき生物学の領域を特定し、まだ広く研究が行われていない疾患の研究活動を加速することが可能です。

同社は新薬の発見と開発のやり方に変革をもたらし、疾患の新たな治療法へと導くことを目標としていると、RelationTx の最高技術責任者であるリンゼイ エドワーズ (Lindsay Edwards) 氏は語ります。

「最終的な当社のミッションは、現在の枠組みよりも早く、効率的に患者に必要な新薬を届けることです。Cambridge-1 へのアクセスによって、手の届かない複雑な組織や臓器系で遺伝的変異が遺伝子発現に及ぼす影響など、これまで理解することがほぼ不可能だった生物学の領域が開かれます。」

ヘルスケア分野でのさらなる AI 応用例

上記のスタートアップからデジタル バイオロジーにおける画期的な取り組みがもたらされるほか、Cambridge-1 の創設企業ではすでにその能力が利用されています。

このスーパーコンピューターを利用して、AstraZeneca と NVIDIA は、化合物のテキスト形式を読み込み、AI を利用して新たな分子を生み出す自然言語処理モデル、MegaMolBARTの最新版を開発しました。この Transformer ベースの化学モデルでは、NVIDIA NeMo Megatron フレームワークを利用して 10 億を超えるパラメーターに基づく化学言語モデルのトレーニングを実行できます。

GTCにご登録済みの方は、AI ベースのイノベーションの詳細をぜひオンデマンドでご確認ください。ヘルスケアや創薬分野で研究者や開発者、医療機器メーカーが NVIDIA Clara プラットフォームを利用してブレイクスルーを生み出している事例を、NVIDIA のヘルスケア担当バイス プレジデント、キンバリー パウエル (Kimberly Powell) がご紹介しています。

また、NVIDIA の創業者/CEO であるジェンスン フアン (Jensen Huang) によるGTC 基調講演のリプレイもぜひご視聴ください。


You may also like...