NVIDIA、自律走行搬送ロボットの開発を加速する Isaac Nova Orin を発表

by Gerard Andrews · March 29, 2022

新しい Jetson プラットフォームを搭載した最先端のコンピューティングとセンサーアーキテクチャにより、AMR の次世代 3D センシングが可能に

今度、衣料や食料品、雑貨が注文してから数時間で玄関先に届いたら、迅速に品物を届けるための物流の舞台裏についてぜひ思いをめぐらせてみてください。

発注の処理は、多くの部品が動く巨大な産業です。自律走行搬送ロボット (Autonomous Mobile Robot、以下AMR) により強力にサポートされた倉庫は、9 万平方メートルに及ぶものもあり、需要に合わせて拡張および再構成されます。病院、小売業者、空港、製造業者にとっては、労働者の障害物となりボトルネックとなります。

これらの AMR の開発を加速するために、NVIDIA は最先端のコンピューティングおよびセンサーリファレンスプラットフォームである Isaac Nova Orin を発表しました。これはすでに提供を開始している強力で新しい NVIDIA Jetson AGX Orin エッジ AI システム上に構築され、プラットフォームには最新のセンサーテクノロジと高性能な AI コンピューティング機能が搭載されています。

新しい Isaac ソフトウェアが AMR エコシステム向けに登場

NVIDIA は、今年後半に利用可能になる Nova Orin に加え、ロボットを視覚的にナビゲートするために不可欠なハードウェアアクセラレーテッドモジュールや、Isaac ROS GEM などの AMR 展開を加速する新しいソフトウェアとシミュレーション機能を提供します。これは、移動ロボットが環境の認識を良好にし、障害物を安全に回避して効率的に経路を計画するうえで鍵となるテクノロジです。

NVIDIA Isaac Sim の 4 月のリリースで利用可能となる新しいシミュレーション機能は、AMR をテストおよびトレーニングするための仮想環境を構築する時間の節約に役立ちます。開発者は、3D の構築要素を使用して、リアルで複雑な倉庫のシーンと構成を迅速に生成し、幅広い物流の作業におけるロボットのパフォーマンスを検証できるのです。

Isaac Nova Orin の主な機能

Nova Orin には、AMR の自律性を設計、構築、テストするために必要なすべてのコンピューティングおよびセンサーハードウェアが含まれます。

2 基の Jetson AGX Orin によって、認識、ナビゲーション、および人と機械のインタラクションのため、最大 550 TOPS の AI コンピューティングが提供されます。これらのモジュールは、AMR の中枢神経系となる最大 6 台のカメラ、3 台のLiDAR、8 台の超音波センサーで構成されるセンサースイートからのデータをリアルタイムで処理します。

Nova Orin には、Isaac Sim on Omniverse でロボットをシミュレートするために必要なツールと、認識およびナビゲーションタスクを高速化するように設計された多数の ROS ソフトウェアモジュールのサポートが含まれています。NVIDIA DeepMap を使用して、ロボットの環境を正確にマッピングするためのツールも提供されます。

開発者が新たな機能の開発に貴重な時間を使えるように、プラットフォーム全体は手間なくすぐに動作するよう調整およびテストされています。