Blender 3.0 がリリース、NVIDIA RTX GPU により高速化し、Omniverse 向けに USD のサポートを追加

by Stanley Tack · January 4, 2022

今月の NVIDIA Studio のニュースは、すべてのコンテンツクリエイター、特に 3D アーティストのためにお届けします。

世界で最も人気の高いオープンソース 3D クリエイティブアプリケーションである Blender が、待望の 3.0 リリースを発表しました。Blender 3.0 は、NVIDIA RTX GPU によって大幅にパフォーマンスが向上し、また NVIDIA Omniverse 向けに Universal Scene Description (USD) のサポートが追加されています。

また、大幅にアップグレードした Isotropix の Clarisse に、再設計されたレンダラー Angie が搭載され、3D クリエイティブワークフローが高速化しました。Cyberlink PowerDirector には、NVIDIA Broadcast のテクノロジが統合されました。これらは、12 月の Studio ドライバにてサポートされています。

さらに、NVIDIA Studio と Adobe は、このホリデーシーズンにおいても引き続き、指定の NVIDIA Studio ノートPCまたはデスクトップを購入すると、Adobe Creative Cloud が 3 か月間無料で利用できるキャンペーンを実施しています。

Blender と RTX によりレンダリングがより快適に

Blender 3.0 は、3D コンテンツ制作の新時代の幕開けとなるもので、より応答性の高いビューポート、シャドウアーチファクトの軽減、所有アセットや借用アセットに素早くアクセスできるアセットライブラリ、また追加のカスタマイズオプションなどの新機能が搭載されています。

Blender Cycles のレンダラーは根本的に見直され、OptiX レイトレーシング用にNVIDIA RTX GPU の RT コア、また OptiX AI デノイズ用に Tensor コアが、最大限に活用されています。

これにより、GeForce RTX 3080 Laptop GPUでは、MacBook Pro M1 Max や CPU 単体の場合と比較して、それぞれ約 12 倍と15 倍高速なレンダリングを実現しています。

3D アーティストは、Cycles をビューポートレンダラーとして使用する際に、即座にフィードバックを得ることができます。また、マテリアルを使ったモデルレンダリングに OptiX のサポートが追加され、圧倒的なパフォーマンスを実現します。

Blender 3.0 では、USD ファイルのインポート機能も加わりました。USD ファイルは NVIDIA Omniverse の基盤であり、シーンを複数のクリエイティブアプリケーションで同時に編集することを可能にします。

新しいインポーターは、USD ジオメトリ、ライト、カメラ、タイムサンプルアニメーション、サーフェスマテリアルのプレビューを Blender での表現に変換し、Omniverse のエコシステムに大きな飛躍をもたらします。

Omniverse のユーザーは、Blender 3.1 のアルファビルドにアクセスできます。Blender 3.1 には、インスタンス化や、NVIDIA Material Definition Language (MDL) の基本変換を含む USD マテリアルのエクスポートのサポートなどの機能が追加されています。

Blender 3.1 アルファは、Omniverse Launcher からダウンロードとインストールをすることができます。

これから Omniverse を始めようとしている方は、まず Omniverse Showroom のアプリをお試しください。Omniverse の基礎テクノロジが初心者の方にもわかりやすく解説されており、新しいコンテンツも随時公開されます。

12 月の Studio ドライバ

Isotropix Clarisse は、セットドレッシング、ルックデベロップメント、ライティング、レンダリングに特化した、完全にインタラクティブなコンピューターグラフィックスツールセットです。

今回リリースされた Clarisse 5.5では、再設計されたレンダラーである Angie が搭載され、レンダリングが大幅に高速化するとともに、NVIDIA RTX GPU 専用のレイトレースアクセラレーションにより、巨大なシーンをインタラクティブにレンダリングすることができます。

Angie 搭載の Clarisse 5.5 ベータのダウンロードは開始されています。

Cyberlink のビデオ編集クリエイティブアプリケーションPowerDirectorに、NVIDIA Broadcast が統合され、先進的な AI ツールが追加されました。これには、低照度下で撮影されたビデオの粒子状のノイズを除去するビデオノイズ除去、不要なバックグラウンドノイズを除去するオーディオノイズ除去、ルームエコーを取り除くオーディオリバーブが含まれています。

ビデオとオーディオの強化をポストプロダクションで行えるようになり、ビデオエディターのツールボックスにさらなる柔軟性とパワーが加わりました。

これらの素晴らしいクリエイターアプリのアップグレードは、Blender 3.0、NVIDIA Omniverse、Isotropix Clarisse、Cyberlink PowerDirector、Blackmagic Design の DaVinci Resolve、BorisFX Sapphire、JangaFX Embergen など向けの最適化とともに、現在ダウンロード可能な 12 月の Studio ドライバ (472.84) によって、すべてサポートされています。