NVIDIA DRIVE エコシステムのパートナー企業が最新の自律テクノロジーと仮想環境を発表
NVIDIA DRIVE エコシステムはさらに多次元的になります。
今週のNVIDIA GPU テクノロジー カンファレンスの期間中、自動運転トラック輸送を扱うスタートアップ企業、である Locomation と、シミュレーションを行う企業である Blackshark.ai が、NVIDIA DRIVE を利用した技術開発を発表しました。
ピッツバーグを拠点とする自動運転トラック輸送技術のプロバイダーである Locomation は、2022 年の公道での隊列走行システム実現に向けて、今後 NVIDIA DRIVE AGX Orin を統合した製品を展開していくと発表しました。
また、仮想世界でイノベーションを生み出しているオーストリアのスタートアップ企業である Blackshark.ai は、NVIDIA DRIVE Sim 上でシミュレーション環境用の建物および景観アセットを構築する、同社のツールセットについて詳しく解説しました。
こうした技術開発が同時に発表されたことで、自動運転車両によるさらに安全で効率的な交通輸送を目指す道のりにおける重要なマイルストーンが示されたことになります。
隊列走行システム実現に向けた取り組み
Locomation は最近、同社初の商用システムである Autonomous Relay Convoy (ARC システム) を発表しました。このシステムにより、ドライバー 1 人が先導するトラックを運転すると、後続の完全自動運転トラックが列を成して動くようになります。
ARC システムは 2022 年、NVIDIA DRIVE AGX Orin を搭載した 1,000 台以上の Locomation 搭載トラックを運用する Wilson Logistics に導入される予定です。
NVIDIA DRIVE AGX Orin は、自動運転車両向けの高度なソフトウェア デファインドのプラットフォームです。このシステムには、NVIDIA の前世代の Xavier システムオンチップ(SoC)の約 7 倍のパフォーマンスにあたる、毎秒 200 兆回以上の操作を実現する、新しい Orin SoCが搭載されています。
8 月に Locomation と Wilson Logistics が成功裏に完了させたのは、ARCを使用して商用貨物を輸送する史上初の路上パイロット プログラムです。このプログラムは、Locomation の 2 台のトラックが Wilson Logistics のトレーラーと貨物を先導し、オレゴン州ポートランド - アイダホ州ナンパ間の州間高速道路 84 号線 (I-84) に沿った、全長 420 マイルのルートで実施されました。この道路は、カーブ、傾斜、突風など、トラック運転にとって最も厳しい道路状況を抱えています。
「私たちは自動運転トラックの商業化を急ピッチで進めています。NVIDIA DRIVE は、チームが連携するための堅牢で安全性の高いプラットフォームを提供できるようなソリューションです」と、Locomation の CEO 兼共同創業者であるセティン メリクリ (Çetin Meriçli) 氏は述べます。
新しい次元の構築
実世界において Locomation が自動運転車両を展開する一方、Blackshark は仮想世界の強化に使用される建物および景観アセットの構築を容易にしています。
このスタートアップ企業は、AI とクラウド コンピューティングを使用して、衛星データ、航空写真、地図データおよびセンサー データを建物および景観アセットに自動的に変換し、写真さながらの 3D 環境を作り出すデジタル ツイン プラットフォームを開発しました。
GTC 基調講演で、NVIDIA の創業者/CEO であるジェンスン フアン (Jensen Huang) は NVIDIA DRIVE Sim におけるテクノロジーを紹介しました。DRIVE Sim は忠実度の高いシミュレーションを使用して、自動運転車両を実際の交通道路にもたらすための、安全で拡張性が高く、費用効果の高い方法を構築します。
DRIVE Sim は NVIDIA RTX GPU のコンピューティング能力を活用して、強力で拡張性の高いクラウドベース コンピューティング プラットフォームを提供します。その 1 つが、自動運転車両のテストに適した数十億マイル相当のコースを生成できる能力です。
デモ動画では、Blackshark の AI がサンノゼの街を再現するための木々や建物を作成し、信じられないほどの精度でシミュレーションしています。
Locomation および Blackshark.ai による最新の発表により、DRIVE エコシステムの幅広さが示されました。これらの発表は、現実世界と仮想世界にまたがって自律型イノベーションをさらに推し進めるものとなります。