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AI へのラブコール: 研究者たちが 5G 向け機械学習に注目

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ベルリン市とバージニア工科大学が連携して、GPU の活用で通信業界を加速する取り組みを開始

3 つの大手機関の 5G の研究者たちが NVIDIA に加わり、 通信に AI をもたらすことになりました。

ハインリッヒ ヘルツ通信技術研究所 (HHI)、ベルリン工科大学 (TU Berlin) およびバージニア工科大学は、GPU のパワーを次世代携帯電話ネットワークに活用するために NVIDIA と連携しています。

そもそもの始まりは 10 月の MWC Los Angeles で、NVIDIA とパートナーは、GPU を使って 5G 向け仮想化無線アクセス ネットワーク (vRAN) を構築する計画を発表しました。

NVIDIA は、vRAN を高速化するためのソフトウェア開発キット、Aerial も発表しました。さらに、パートナーの Ericsson、Microsoft および Red Hat が NVIDIA とともに、GPU の活用によってネットワークのエッジに 5G を実装しようとしています。

これらの vRAN により、携帯電話ネットワーク事業者は、クラウド サービス プロバイダがすでに享受しているような運営効率を得られるようになります。通信事業者は、ネットワーク機能を高レベルなソフトウェア言語でプログラムすることで、新たな機能を追加したり、必要なときに必要な場所に容量を増強したりといった作業を容易に行えるようになります。

ワイヤレスでのつながりを拡大

HHI、TU Berlin およびバージニア工科大学と NVIDIA との新たな研究パートナーシップを通じて、AI を活用して 5G を高速化するための、さまざまな方法を模索します。

また、このパートナーシップにより、GPU を活用してワイヤレス ネットワークの貴重なスペクトラムをより効率的に利用するための新たな手法が定義されるようになります。この作業は、10 月に発表されたプロダクト プランに基づく強化学習およびその他の手法の研究にも及びます。

HHI は、モバイルとオプティカルのネットワーク、ならびにビデオ圧縮の画期的なテクノロジの先駆けとなってきた歴史を持つ、1928 年設立のドイツの研究グループ、フラウンホーファー研究機構の傘下組織です。TU Berlin とのコラボレーションには、ドイツのいくつものワイヤレス企業が参加する、新たな 5G テストベッドが含まれています。

TU Berlin の教授で、HHI のワイヤレス ネットワーキング部門のヘッドである スラヴォミル スタンチャック (Slawomir Stanczak) 氏は、次のように述べています。「私は、タスクを並列に処理できるように無線アクセス ネットワーク (RAN) の多くのアルゴリズムを再設計したいと考えています。GPU は膨大な並列処理に対応できるため、この作業の最適なアーキテクチャとなっています」

スタンチャック氏のチームは、AI を導入して 5G レシーバーの性能を向上させるといった、新たな使用事例を発見しようとしています。「もし私たちが成功したら、性能を大幅に高め、スペクトル効率が向上させる、ブレイクスルーとなるでしょう。スペクトラムはとても費用がかかるため、これは重要な意味を持っています」とスタンチャック氏は言います。

GTC Digital での先頃のセッションでは、スタンチャック氏は、プライベートの 5G キャンパス ネットワークに AI を導入する方法について説明しました。スタンチャック氏は、この方法が vRAN のマーケット ドライバーになると考えています。スタンチャック氏は、世界的な通信規格グループである ITU で、5G における AI の利用について議論するフォーカス グループの議長を務めています。同氏は、ワイヤレス ネットワークを最適化するための数学についての、数多く引用されているテキストの著者でもあります。

5G の厳しい時間枠設定に対応

バージニア工科大学での研究を指揮しているのは、コンピューター エンジニアリングの教授であるトム ホウ (Tom Hou) 氏で、彼のチームは、通信事業者の最も複雑で困難な、いくつかの問題の解決を専門としています。

彼の博士課程の学生であるヤン フアン (Yan Huang) 氏は、2018 年の論文で、5G 規格によって定められている、100 マイクロ秒という厳しい時間枠での複雑なスケジューリング問題を NVIDIA Quadro P6000 GPU を利用して解決する方法を説明しています。彼の最新の研究では、NVIDIA Tensor コア V100 GPU を使って、この時間枠が 60 マイクロ秒にまで短縮されています。

この研究は、「その当時、従来の演算手法を使っていた人は高い壁に直面しており、世界の誰も 100 マイクロ秒という困難な問題を解決できそうになかったため、大きな反響を呼びました」とホウ氏は言います。

「GPU を使うことで、私たちの研究グループは大きな変化を起こし、現在は、新たに獲得した並列技術に加えて AI の技術に注目しています」

具体的には、バージニア工科大学の研究者たちは、AI を使って、5G ネットワークを最適化するための困難な問題をリアルタイムで自動的に発見し、解決する方法を模索します。たとえば、AI が、単一の周波数帯に複数のサービスを組み込むための新しい方法を発見し、スペクトラムをより効果的に使えるようになるかもしれません。

「私たちは、通信事業者のきわめて厄介な問題のいくつかは数学的定式化がなされていないことを発見しましたが、AI は問題のモデルを自動的に学習し、GPU を活用した並列的なソリューションを向上してくれます」とフアン氏は言います。

5G 向け AI に向けて高まる気運

GTC Digital で論文を発表した 2 人を含む他の研究者も、5G での AI の可能性に注目し始めています。

5G の最大の課題の 1 つに取り組むために、アリゾナ州立大学の研究者は、NVIDIA Turing GPUによる AI とレイトレーシング機能を活用してミリ波ビームを照射する、新たな方法を示しました。

また、ターンイン スー (Terng-Yin Hsu) 教授は、NVIDIA GPU を活用してソフトウェア デファインド携帯電話基地局を運営している、台湾の国立交通大学のキャンパス ネットワークについて述べています。

「私たちはまだきわめて初期の段階にあります、とりわけ vRAN 向け AI については」とスタンチャック氏は言います。「最終的には、私たちはデータとドメイン知識の両方を活用したハイブリッドなソリューションを使うことになるだろうと考えています」

4G LTE に比べて 5G は、はるかに複雑な無線インターフェースを通じて、はるかに広範なユースケースを実現しようとしています。「機械学習のような AI の手法は、これらの課題に対する有望なソリューションです」とホウ氏は言います。

NVIDIA GPU を使用すると、CUDAcuDNN の環境でのプログラミングの柔軟性、ならびに NVLink で接続された複数の GPU のスケーラビリティを得られます。それが 5G で AI を選択するためのプラットフォームになる、とホウ氏は言います。

現在、私たちは通信事業の歴史の転換点に立っています。無線信号処理についての従来の原則は数十年前にできたアルゴリズムがもとになっています。AI とディープラーニングは革新的な新アプローチを提示しており、NVIDIA の GPU はその中核を担っています。


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