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ロボティクスとAI で物流の効率化を加速するオカムラのJetsonソリューション

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物流業界ではこれまでも長年にわたって常により効率的なオペレーションを求めて日々改善活動に取り組んできました。その改善にはその時代における最新技術の導入も積極的に行われてきましたが、AI が実装されたロボティクスの活用はまさに今日における物流業界の効率化を加速させるためのソリューションといえるでしょう。オフィス用家具等の事業で国内トップである株式会社オカムラの物流システム事業本部は、NVIDIA Jetson TX2 を活用して自律移動ロボット「ORV(Okamura Robot Vehicle)」を自社開発し、今日における物流業界のイノベーティブな効率改善を目指しております。

「国際物流総合展2020 – INNOVATION EXPO -」に出展

株式会社オカムラは、2月19日(水)~21日(金)の3日間にわたり、東京ビッグサイト(東京国際展示場)にて開催される「国際物流総合展2020 – INNOVATION EXPO -」で、Jetson TX2を搭載したORVを展示 します。この自律移動ロボットORVは倉庫内で人間の代わりに荷物が積載された「かご車」を運びまわるロボットです。ORVは床面の磁気テープや経路テープ等の敷設を必要とすることなく、各種のセンサーで周囲の状況を把握しながら自らの走行経路をプランニングし、障害物を避けながら目的地を目指します。そして目的地にあるかご車をディープラーニングによる画像認識で自動認識して取りに行き、定められた場所へ搬送します。また、バッテリの充電は非接触充電で、充電がなくなる前に自ら充電場に戻り充電を行います。

NVIDIA Jetson TX2 がもたらす主要機能

Jetson TX2はORVがもつ様々な主要機能の実現に活用されています。まず1つ目は、周囲環境形状を把握しながら自律移動するためのSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)です。レーザーレンジファインダー等の各種センサーから取得した情報を基に周囲の形状を把握し、自己位置推定と周辺地図の作成を同時に行うのですが、このための演算処理能力をORVのようなサイズのロボットに実装できるコンピューティング プラットフォームはそう多くはありません。小さなフォームファクタ―のSOM(System On Module)であるJetson TX2は消費電力当たりの演算能力が高く、各種センサーから送られてくる大量のデータをストレスなく処理できるため、ORVが必要とするような自律移動ロボットにけるSLAMの実装を可能にします。

Jetson TX2が実現している2つ目のORVの主要機能はかご車を認識するためのディープラーニングをベースとした画像認識技術です。ORVは定められた場所に、定められた向きで置かれてあるかご車だけを認識するのではなく、人間のように任意の場所に、任意の向きで置いてあるかご車を認識することができます。このような認識を可能にするために、株式会社オカムラはディープラーニングの技術をかご車の検出に応用しました。かご車の様々な特徴をディープ ニューラル ネットワークに学習させることでかご車を認識するためのAIモデルを作成しました。このようなモデルをエッジ デバイスにデプロイして推論を行うためには高い演算処理能力を必要とするのですが、Jetson TX2はそのような複雑なモデルでの推論も高速に実行できるため、それを実装したORVは任意に放置されたかご車をすばやく認識することができます。

このように、Jetson TX2はORVが自律移動するためのSLAMと駆動系の制御、そしてかご車を認識するためのディープラーニングによる画像認識といった主要機能を一手に担っております。このクレジットカード サイズのスーパーコンピューターはORVが必要とする機能を実現するための演算処理能力を高い電力効率で提供しています。

NVIDIA Jetson プラットフォームによる開発時間とリソースの効率化

株式会社オカムラは前回の国際物流総合展2018ではJetson TX2 の先代にあたるJetson TX1 を用いた自律移動ロボットを展示しており、今回のORVではさらなる機能追加と精度向上のためJetson TX1 の2倍以上の性能をもつJetson TX2 を中心としたシステムに移行しました。通常、組込みシステムにおける主要演算処理部の変更やアップグレードには多大なる開発工数を必要としますが、Jetson シリーズが持つCUDAをベースとする統一されたアーキテクチャーと、戦略的に準備されたTX1からTX2へのマイグレーション パスによって株式会社オカムラはスムースにORVの大幅な機能拡張を達成することができました。また、様々なエッジ コンピューティング アプリケーション開発で実績をもつJetsonシリーズのプラットフォームは、世界中のエコシステム パートナーやディベロッパーによって使われているため、開発に必要な情報を容易に検索して入手できることもJetsonを採用するアドバンテージの1つだ、と株式会社オカムラの開発者は述べています。

株式会社オカムラは「機械にできることは機械に任す」という目的達成のためにORVを開発しました。人間によるかご車の搬送は、搬送物がかなりの重量物であることに加え、数量、回数も多いことから以前より解決しなければならない課題となっておりました。この作業をORVに任せることができれば、人によるかご車の搬送作業を大幅に軽減することができ、貴重な人間の能力をより重要で付加価値の高い作業工程に回すことができます。このような考え方に基づく現場の効率改善のソリューションとして今、AIのパワーを持ったロボティクスの実用化が加速しています。株式会社オカムラがJetson TX2を用いて開発したORVはまさにそのような課題を解決するためのソリューションの代表といえるでしょう。

(画像提供: 株式会社オカムラ)


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