イタリア エネルギー界の巨大企業が、7,280 個の NVIDIA GPU を実装する計画を策定
イタリアのエネルギー企業である Eni が、世界で最もパワフルな産業用システムを構築するために、NVIDIA GPU を増強して、同社のスーパーコンピューターをアップグレードしようとしています。
このニュースは、北米で毎年行われるスーパーコンピューティングのイベントである、SC19の開幕時に明らかにされました。世界で最も要件の厳しいハイ パフォーマンス コンピューティングのアクセラレータとしての GPU の導入および AI を使った仕事の増加は、このイベントで最も注目されている話題に数えられています。
HPC5 と名付けられた、新しいEni システムは、7,280 基の NVIDIA V100 GPU が搭載され、52 PFLOPS の倍精度浮動小数点処理ができるようになります。これは、3,200 基の NVIDIA P100 GPU を使用し、以前の処理能力が 18 PFLOPS であったシステムのおよそ 3 倍 の性能となります。
HPC5 が 2020 年初頭に導入されると、Eni は、ミラノ郊外にある、フェッレーラ エルボニョーネの Green Data Center にすでに設置されている、既存のシステムを含む 70 PFLOPS の処理能力を自社だけで持つことになります。この処理能力は、世界で最もパワフルなコンピューターの 現在のTOP500 リストに掲載されている、業界の他の企業を大幅に上回っています。
新しいシステムは、1,820 台の Dell EMC PowerEdge C4140 サーバーで構成されており、そのそれぞれに 4 つの NVIDIA V100 GPU と 2 つの Intel CPU が搭載されています。これらのサーバーは、200 Gb/s で動作する Mellanox InfiniBand HDR ネットワークで接続されます。
Green Data Center ではソーラーパワーを活用
Eni は演算能力を強化して、オペレーション全体のデータを集め、分析しようとしています。同社は、油田の監視、地下画像化および貯留層シミュレーションの向上、および非化石エネルギー源での R&D の加速を強化しようとしています。データセンター自体も、電力効率に優れた設計となっており、近隣のソーラー プラントを利用して電力供給の一部をまかなっています。
Eni の最高経営責任者のクラウディオ デスカルジ (Claudio Descalzi) 氏は、次のように述べています。
「スーパーコンピューター インフラストラクチャを強化し、独自のテクノロジを開発するための投資は、Eni のデジタル トランスフォーメーションには欠かせません。新しいシステムの先進的な並列アーキテクチャとハイブリッド プログラミング モデルにより、Eni は地震学的画像をより速く処理でき、より高度なアルゴリズムを利用できるようになります」
Eni は、GPU をアクセラレータとして最初に導入した企業の 1 つです。世界最速のシステムである、2019 年 6 月の TOP500 リストによると、現在NVIDIA GPU は世界の 125 機種の最速のシステムで搭載されています。そのなかには、世界で最もパワフルなシステムである Summit スーパーコンピューターが含まれており、それ以外にも、トップ 10 のうちの 4 機種で使用されています
ここ数年間で、これらのその凄まじいパワーによって新たな性能の高みを推進するために、NVIDIA GPU アクセラレータを採用する設計者が増えています。
SC19 のイベントでは、AI または GPU に関連する、3 件の論文発表、2 つのパネルディスカッションおよび 3 つの講演を予定しています。これら講演の 1 つでは、米国パシフィック ノースウェスト国立研究所のディレクターが、科学的な問題に対する機械学習の影響を増加させるための 6 つの重要な研究の方向性について話します。
また別の講演では、ホワイトハウス科学技術政策局の AI 担当アシスタント ディレクターが、政権のAI および HPC の優先順位を紹介いたします。彼女は、2 月に発表された米国の AI イニシアティブについて詳しく説明します。