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ドライブトレインをドライブする: 武蔵精密工業、AI マニュファクチュアリングを加速

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日本を代表する自動車部品メーカーが、GTCでJetson を活用した最先端の検品システムを紹介

ロボット アームが滑らかに動いて、検品用の箱から自動車の高精度ギアを拾い上げる。その一方で、自動走行する無人搬送車が製造フロア内で重い部品を運び、従業員に受け渡す。

これは、トランスミッション ギアの世界最大のメーカーであり、日本の大手自動車部品企業である武蔵精密工業が実現に向けて取り組む、未来の工場のワンシーンです。もっとも、これは、人口減少に直面するこの国でトップの座を守るために同社が計画している、具体的な施策でもあります。

武蔵精密工業は、3月18日~21日に米国で開催された、NVIDIA の GPU Technology Conference において、同社の次世代自律ロボットについて紹介しました。

日本の人口は、ピークであった 2010 年の 1 億 2,800 万人から、今後 40 年間でおよそ 3 分の 1 減になると予測されており、武蔵精密工業では、AI は単なる人材難対策ではなく、企業を変革するものになると考えています。

1938 年に設立された同社は、時代に合わせて柔軟に変化を重ねてきました。同社は航空発動機用気化器の製造からスタートし、第 2 次大戦後はミシン部品産業に方針を変え、さらに 1950 年代半ばには二輪車用部品の製造を始め、その後は成長が予想されていた自動車産業に進出しました。

代表取締役社長・社長執行役員 の大塚浩史氏は、まさにサムライ精神を発揮し、製造業界でイノベーションを推進しています。

創業者の孫である大塚氏は、市場において優位性をもたらすテクノロジ、とりわけ AI を積極的に推進してきました。現在、人手不足という難問に直面しながら、大塚氏は、精密な自動車部品製造のはるか先を見据えた、AI のロードマップを策定しつつあります。

武蔵精密工業は、通常はソフトウェアのスタートアップ企業が得意とするような業務にも取り組んでいますが、大塚氏は、膨大なデータを扱う大規模な経営では、そうなるのも当然のことだと言います。武蔵精密工業は、他の業界の動向も気にしながら、AI を活用した製造、AIマニュファクチュアリングを進めています。そのため、同社は、AI業界 における主要な研究拠点としての地位も確立しつつあります。

大塚氏は、次のように述べています。「製造業における検品やロジスティクスで、NVIDIA Jetson プラットフォームをベースとしたAIを活用する姿は、まさに次世代の製造業の幕開けを示しており、業界変革の始まりでもあります。」

GTC会期中、武蔵精密工業は、NVIDIA Jetson をベースとした、Neural Cube と呼ばれる AOI ボックスを発表しました。部品検品の頭脳となる Neural Cube は、より大きなことの始まりに過ぎないのかもしれません。

打痕や溶接スパッタの検査

部品の検品は、ここ数年で重要度を増しています。機械的な不具合だけに対処すればいいというわけではないからです。ギアやその他の部品に少しでも不完全な部分があると、雑音が発生し、エンジン音の静かな電気自動車が普及している現在では、そのような雑音がこれまで以上に耳障りになります。

武蔵精密工業の AI 検品システムは、ロボット アームとともに、NVIDIA Jetson TX2 を搭載した Neural Cube とカメラで構成されています。このシステムは、Keras また TensorFlow ライブラリにある Inception-v2 モデルで画像分類を行うことによって、ベベルギアの微妙な違いを検査し、5 秒間の推論によって、1 ミリの打痕を見つけます。

Neural Cube はまた、金属を溶接でつなぎ合わせる際に発生しうる溶接スパッタも見つけます。Jetson 上で Keras または TensorFlow の Mobile Net を走らせることで、7.5 秒以内に 0.5 ミリの小ささのスパッタを発見することができます。

武蔵精密工業によれば、その正確さは人間と同程度だそうです。

AI が労働を支援

定年人口が増えているなか、日本では、自律操作の重要性が高まっています。

武蔵精密工業の AGV 自動運転ロボットは、Lidarとステレオ カメラを使って、人や設備、フロアのラインを自律的に検知しています。製品を生産ラインに搬送するためのパス プランニングには AI が使われ、その生産ラインは Jetson AOI システムと接続されており、1 トン以上の重量を運ぶことが可能となります。

武蔵精密工業では、このような方法の採用によって、検品作業に携わっていた従業員の 20% を再配置し、検品の効果を潜在的に高めながら、これら人員をよりレベルの高い作業に割り振ることができるようになります。そして、これは同社の AI 活用の始まりに過ぎないのです。

武蔵精密工業は、もっとも小さな欠陥をも識別できる、より複雑なニューラルネットワークを実装できるJetson AGX Xavier を搭載した同社の次世代 Neural Cube の開発を行っています。

サービスとしてのAI マニファクチュアリングというものが、より壮大なビジョンの 1 つとなっており、今後は、同社が製造のための膨大なデータセットから開発したものを他の業界に提供したい、と大塚氏は語ります。


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