先週ダラスで開催された、毎年恒例のスーパーコンピューティング カンファレンス、SC18 にて、高い期待を集めていた受賞式でビッグ サプライズがありました。
ハイパフォーマンス コンピューティングの世界の「オスカー」とも言える、栄誉あるゴードン ベル賞は、通常、1 つの研究者チームが受賞することになっています。しかし、今年は、そうはならなかったのです。
ごくまれなケースですが、選考委員会は 2 つのチームに賞を分け与えることにしました。オピオイド依存症についての画期的な研究を行ったチームと、気候変動で革新的な発見をしたチームの両方に賞が授けられることになったのです。
どちらのチームも、米国エネルギー省のオークリッジ国立研究所 (ORNL) に置かれている世界最速のスーパーコンピューター、 Summit を使って研究を行いました。Summit には、世界最先端のデータセンター GPU である NVIDIA V100 Tensor コア GPU が 27,648 基搭載されています。V100 には、AI と機械学習に理想的な、ユニークな多倍精度演算の機能が備わっています。
また、ローレンス バークレー国立研究所と共同で気候変動の研究を行ったチームは、チーム メンバー 12 名のうち、半分が、NVIDIA のディープラーニング コンピューター サイエンティストでした。
このチームは、ディープラーニングのアルゴリズムを使ってニューラル ネットワークのトレーニングを行い、高解像気候シミュレーションによって異常気象のパターンを識別しました。
オピオイド依存症の研究をしていたチームは、ORNL の研究者が率い、「CoMet」アルゴリズムを新たに開発しました。このアルゴリズムにより、スーパーコンピューターを使って、膨大な量の遺伝子データを処理し、痛みとオピオイド依存症の原因になると思われる遺伝子とその有望な治療法を見つけることができます。
ORNL のオピオイド エピデミック プロジェクトとローレンス バークレー国立研究所の気候変動プロジェクトについての詳しい情報は、ACM の Web サイトをご覧ください。