Volvo、Continental および Veoneer がそれぞれ、量産型自律走行車の計画を発表
自律走行はもはや、数十年先に見える未来のイメージといった、遠く離れた目標ではなくなっています。GTC Europe では、Volvo Cars、Continental、Veoneer という 3 つの大手企業が、近い将来に次世代車両を生産する計画を明らかにしました。
完全に自律化したシステム、高度に自動化されたシステム、あるいはドライバー支援システムのいずれの開発であるかに関わらず、自動車メーカーとサプライヤーは、車両内に従来よりはるかに優れた演算能力が必要であることを理解しつつあります。そのため、これら企業は、安全のために設計されアーキテクチャであり、ますます高度になっている AI ソフトウェアを処理するためのプラットフォームでもある NVIDIA DRIVE AGX を使って、未来の車両を開発しようとしています。
安全とイノベーションの代名詞となっている、高級車ブランドの Volvo Cars は、NVIDIA DRIVE AGX Xavier を使って、次世代のコア コンピューターを開発していると発表しました。
Volvo の未来の量産車には、今日使用されている、従来型の先進ドライバー支援システムをさらに進化させた、レベル 2 以上の運転支援機能が装備されるようになります。NVIDIA と Volvo の両社は、このような機能の開発で協力しており、全方位の状況認識とドライバー モニタリング システムを独自の方法で内蔵させています。DRIVE AGX Xavier を活用した基本テクノロジは、最終的には、レベル 4 の高度に自動化された運転機能にまでスケール アップさせることができます。
Volvo Cars の社長兼最高経営責任者 (CEO) であるホーカン サムエルソン (Håkan Samuelsson) 氏は次のように話しています。「自律走行のローンチを成功させるには、膨大な量のコンピューティング パワーだけでなく、人工知能の継続的な進歩が欠かせません」
Continental も、同社の運転支援/自動運転制御ユニット (ADCU) に DRIVE AGX Xavier を採用すると発表しました。NVIDIA とともに、このサプライヤーは、Level 2 以上のプレミアムな運転支援から、レベル 3 およびレベル 4 のトラフィック ジャム ショーファーとハイウェイ パイロットを経て、レベル 5 の完全に自律したロボタクシーまで拡張可能な、単一のプラットフォーム アーキテクチャを開発していると発表しました。この共同設計されたハードウェアとソフトウェアのプラットフォームは、多様な商業車両にも活用されようとしています。
GTC では、CUbE (Continental Urban Mobility Experience) が展示されました。このサービスとしてのモビリティ (mobility-as-a-service) 車両開発プラットフォームでは、無人自動車のために設計された AI スーパーコンピューターである、NVIDIA DRIVE AGX Pegasus がベースとなります。
ティア 1 サプライヤーの Autoliv から分社した自律走行サプライヤーである Veoneer も、「Zeus」として知られている、レベル 4 の高度に自動化された自動運転スーパーコンピューターの設計に NVIDIA DRIVE AGX Xavier を採用するという発表を行いました。
この高い性能を誇る AI スーパーコンピューターは、NVIDIA DRIVE OS オペレーティング システムと自動運転のスタートアップである Zenuity の自律走行ソフトウェア スタックを作動させ、2021 年にはプロダクション開始可能となる予定です。Zeus は、カメラやレーダー、その他のセンサーからのデータを融合させて状況を解釈し、必要なアクションを起こします。
「当社は、安全なモビリティ ソリューションを提供するために Zeus を開発しました。これは、2021 年の自律走行実用化に向けた重要な 1 歩となります。エキスパート パートナーである NVIDIA や Zenuity との密接な連携は、未来のモビリティのための信頼できるソリューションを作り上げるカギとなります」と Veoneer の社長兼 CEO 兼会長のジャン カールソン (Jan Carlson) 氏は話しています。
演算能力がもたらす安全
DRIVE AGX プラットフォームにより、安全な自律走行に必要な多様かつ冗長な操作が可能となります。NVIDIA DRIVE AGX Xavier は、毎秒 30 兆回の演算 (TOPS) を達成する比類なき能力を持っており、レベル 5 のロボタクシー用に設計された AGX Pegasus は 320 TOPS の性能を有しています。
変わらぬ柔軟性
DRIVE AGX の強みは、高い演算能力だけではありません。オープン プラットフォームであるため、自動車メーカーやサプライヤー、その他の自律走行関係企業は、自身のソフトウェアをこのプラットフォーム上で作動させて開発を行っています。
DRIVE AGX は OTA (Over-the-Air) でのアップデートも可能ですので、自律機能が適宜、継続的に改良され、車両内のハードウェアを変更する必要がありません。本当のソリューションは、現在の問題を解決するだけではなく、未来のニーズも予測するのです。