Clara がレガシーの医療機器の能力を劇的に向上させ、AI 医療デバイスの未来を形成
NVIDIA は、NVIDIA Clara プラットフォームを公開いたしました。このプラットフォームは、次世代の医療機器に AI の恩恵をもたらすハードウェアとソフトウェアを組み合わせたもので、疾病を早期に発見、診断および治療するためのパワフルなツールとなります。
プラットフォームの核となるのは、NVIDIA Xavier AI コンピューティング モジュールと NVIDIA Turing GPU をベースとした革新的な コンピューティング アーキテクチャである NVIDIA Clara AGX です。さらに開発者向け Clara ソフトウェア開発キットにより、AI を活用して既存のシステムのデータを処理する、多様なアプリケーションを作成することができます。
Clara プラットフォームは、1 秒当たり数十から数千ギガバイト規模で生成される、膨大なデータを処理し、医師や科学者が解釈できるようにするという、医療機器の大きな課題を解決するものです。これまで、このレベルのスーパーコンピューティングを達成するには、3 つのコンピューティング アーキテクチャである FPGA と CPU、GPU が必要でした。
Clara AGX
Clara AGX により、このような課題は単一の GPU ベースのアーキテクチャに集約されます。このアーキテクチャは、NVIDIA Tensor コアによる世界最速の AI 推論、世界でもっとも広く導入されているアクセラレーテッド コンピューティング プラットフォームである CUDA のよる加速、ならびに最先端の NVIDIA RTX グラフィックスを提供いたします。そのフレキシブルなデザインにより、プラットフォームは、エントリーレベルのデバイスから、もっとも要件の厳しい 3D デバイスまで対応することができます。
Clara AGX に興味を持つ開発者の皆さまは、NVIDIA Jetson AGX Xavier 開発者キットを通じて、このプラットフォームの使用を開始することできます。
Clara SDK
Clara は、通常の寿命が数十年であるレガシーの医療機器と、過去 10 年間に GPU の演算速度が 1,000 倍になっている現代のアプリケーションを作動させる能力の両立ができないという、基本的な問題も解決します。
Clara は、機器のデータを処理する機能があり、設置されている機器を最新の NVIDIA GPU に接続することで、上記の課題を解決します。つまり、CT および X 線の反復再構成、ビーム形成による MRI の超音波検出と圧縮検出といった、最先端の画像診断アプリケーションを、10 年間使用している機器で作動させることができるのです。
Clara SDK は、コンピューティング、グラフィックスおよび AI のための一連の GPU アクセラレーテッド ライブラリ、再構成、画像処理およびレンダリングのためのサンプル アプリケーション、ならびに CT、MRI および超音波のための演算ワークフローを医療アプリケーション開発者に提供します。これらすべてを通じて、コンテナと Kubernetes を活用し、あらゆる機器の医療機器用アプリケーションの視覚化および拡張が可能となります。
医用画像診断開発企業による対応
世界中の医用画像診断開発企業が、疾病の発見および診断で医師を支援する方法以外にも、AI を使って、ワークフローの自動化、機器の高速化および画像品質の改良を行ういくつもの方法を発見しています。400 以上の AI 医療スタートアップが過去 5 年間に事業を立ち上げており、Clara により、それらスタートアップが AI を活用し、医療ワークロードを一新できるようになるでしょう。
たとえば、NVIDIA Inception 仮想アクセラレーター プログラムのメンバーである Subtle Medical は、4 分の 1 の時間で画像を得られ、患者への造影剤の投与がわずか 10 分の 1 で済む、MRI アプリケーションに取り組んでいます。Subtle Medical の開発者たちは、AI 推論の時間がただちに 10 倍以上の速さになるため、アプリケーションの作動時間が数時間になりました。
Subtle Medical の創業者であるエンハオ ゴン (Enhao Gong) 氏は、次のように話しています。「当社は、AI を使って MRI および PET 検査のワークフローを改善しています。NVIDIA の CLARA プラットフォームにより、当社のテクノロジをさらに拡大させて、造影剤や放射線のリスクを減らし、画像診断の効率と安全性をさらに高めることができるようになります」
同じく Inception のメンバーである ImFusion は、従来の 2D データを使って 3D 超音波画像を作成し、超音波画像と CT を融合させて視覚化することができます。ImFusion の開発者たちは、2 日も経たないうちに、自社のアプリケーションを Clara に移植し、Clara の推論、シネマティック レンダリング エンジンおよび視覚化機能を活用しています。
ImFusion の創業者兼 CEO の ウォルフガング ウェイン (Wolfgang Wein) 氏は、次のように話しています。「当社は、医用画像のコンピューティングとガイド手術を専門としています。NVIDIA の CLARA プラットフォームにより、当社では、2D の医用画像を 3D に変換し、当社の技術を仮想的に展開できるようになります」
NVIDIA Clara プラットフォームは、現在、アーリー アクセス パートナーが利用可能となっており、ベータ版のリリースは 2019 年 の第 2 四半期を予定しています。
NVIDIA Clara プラットフォームの詳しい情報をご覧ください。
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