6 月 14 日、NVIDIA は、人工知能こそ自動運転車の課題と期待に応える鍵であると、議会で語りました。

米国上院商務、科学、運輸委員会の満席の公開公聴会にて、NVIDIA のオートモティブ事業担当バイス プレジデント 兼 統括マネージャーであるロブ チョンガー (Rob Csongor) は、今後数年以内に、AI が自動運転車を実現し、その結果、何万人もの命を救い、障がい者にモビリティを提供し、都市設計を改善し、大量の非生産的な時間を節約すると語りました。

「現在、私たちは事実上すべての自動車メーカーと共に、AI を活用した高度な自動運転車の研究開発に取り組んでいます。」チョンガーは、2 時間の公聴会の開始にあたり、こう述べました。この公聴会には、十数人を超える上院議員、約 150 人の政策調査スタッフ、ロビイスト、記者、そして迷い込んだ数名の旅行者も出席しました。

「当社のテクノロジは、225 社を超える世界の自動車メーカーで利用されており、例えば、Audi、Tesla、トヨタ自動車、Volvo、Mercedes などが挙げられます。現在、人間をはるかに超えるレベルの認知能力とパフォーマンスを備えた AI システムを構築できる段階にあります。重要なのは、AI は、取り乱したり、疲れたり、注意力が散漫になったりしないという点です」とチョンガーは語りました。

AI と自動運転に沸き返る上院議員たち

出席した 2 人の上院議員は、自動運転車モデルを試乗した経験から、その強い関心を語りました。いずれも NVIDIA のテクノロジを利用したモデルです。サウス ダコタ州選出のジョン テューネ (John Thune) 上院議員は最近、新型の Audi A7 を運転していると言い、ネバダ州選出のキャサリン コルテス マスト (Catherine Cortez Masto) 上院議員は最近、Tesla を運転し、その経験を「本当に素晴らしい」と表現しました。

ミシガン州選出のゲーリー ピーターズ (Gary Peters) 上院議員は、次のように述べています。「このテクノロジの前進といったら･･･自動運転車だけではなく、経済全体、すべての業界にとって重要です。この自動車テクノロジは、AI の壮大なイノベーションです。」

「このテクノロジに触れると、活力が湧き上がります。運転手なしの車両だけではなく、社会や世界全体のために何をもたらすのか、その可能性を考えると胸が躍ります」と述べるのは、カンザス州選出のジェリー モラン (Jerry Moran) 上院議員です。

自動運転車の幅広いサポート

チョンガーは、自動運転車のテストと展開の分野における専門家の 1 人として出席しました。その他の出席者は、大手自動車メーカーの国際的な協会である米国自動車工業会 (Alliance of Automotive Manufacturers) の会長兼 CEO であるミッチ ベインウォル (Mitch Bainwol) 氏、自動車のテストおよび製品開発の協会である American Center for Mobility の会長兼 CEO であるジョン マドックス (John Maddox) 氏、飲酒運転根絶を目指す母親の会 (Mothers Against Drunk Driving) の米国会長であるコリーン シーヒーチャーチ (Colleen Sheehy-Church) 氏などです。

シーヒーチャーチ氏は、自動運転車を飲酒運転の危険に対する「治療」と呼びました。飲酒運転は、米国において毎年 35,000 人を超える相当な数の交通事故による犠牲者の原因になっています。

チョンガーは、ディープラーニングという手法を通じて、いかに自動車が人間のように経験から学習するのか、また、手書きでコーディングされた従来のソフトウェアの利用をどのように取り除くのかを説明しました。手書きのコーディングでは、運転から生じるほぼ無限の範囲の変数への対応を予期することはおそらく不可能です。NVIDIA の DRIVE PX 車載 AI コンピューティング プラットフォームにより、自動車は、高精細地図上で自己位置を特定し、周囲の物体を検出し、変化する状況から安全な経路を計画できるようになります。

チョンガーは、委員会に対し、自動運転車のテストに関するいかなる規制も、州ごとに異なるつぎはぎの規制ではなく、単一の、統一された国家標準により整備を急ぐべきだと語りました。現在、NVIDIA をはじめとする各社は、自動運転テクノロジのテストをカリフォルニア州、ニュージャージー州などで実施していますが、各州に独自のアプローチがあります。事実上規制なしから、警察による監督の条件に対する特別規制手続きまでさまざまです。

「理想としては、すべての州で、さまざまな運転状況で車両のテストを実施できればよいのですが。さまざまな地域の異なる規制をつぎはぎすると、開発や進歩の妨げになります。すべての州を対象とする、統一された 1 組の規制があれば、たいへん有益です」とチョンガーは述べました。

チョンガーはまた、安全性に対する指針を保証しながら、特にテクノロジの判断に影響を与えない政策を整えるべきだと論じました。自動運転車のテストは、自動運転車をサポートするニューラル ネットワークをトレーニングする重要なステップであり、テスト施設内だけではなく、路上のテストやシミュレーションによるテストも業界に許可してほしいと述べています。これにより、雪や照りつける日差しの中での運転や、動物の予期せぬ路上への突進まで、通常とは違う状況を作り出すことができます。

自動運転車に関する米国上院公聴会の Web キャストをご覧ください。