ボルボは長年、安全と同義語とされてきました。今日、スウェーデンのこの自動車メーカーの最新の取り組みにより、自動運転車両も安全と同じ意味になる可能性があります。
NVIDIAの年次GPUテクノロジ・カンファレンスでは、500人以上の参加者が、「Drive Me」プロジェクトの一環としてNVIDIA DRIVEを利用するボルボの計画に耳を傾けました。当プロジェクトでは、100台のテスト車両を、ボルボの本拠地ヨーテボリの指定された道路で走らせます。
これはボルボが、さらなる安全機能と位置付けているプロジェクトです。
ボルボ・カー・グループのシニア・テクニカル・リーダーであるヘンリック・リンド(Henrik Lind)氏は、次のように述べています。「新しいボルボの車両では、誰一人命を落としたり重症を負うことがあってはなりません。将来的には、新しいボルボでは衝突は起きなくなるはずです」
最大の関心事は安全であるものの、自律走行車両の需要を牽引しているのはそれだけではありません。リンド氏は、自動運転車両への関心を高めている要素として、都市部の交通渋滞、大気汚染、持続可能なエネルギー源への移行など、いくつかのトレンドを挙げました。
これらはいずれもDrive Meプロジェクトにつながるものです。
GTCでのボルボの講演に集まった何百人もの参加者。
来年のテスト開始時には、その範囲はいくぶん限られたものになります。対向車や交差点はなく、速度は時速50マイルに制限されます。
ボルボは、社会的利益、インフラストラクチャへの影響、特定の交通状況における適性、自律走行車両に対する顧客の期待、自律走行車両が損害を与えた場合に誰が責任を取るかといった法的な問題などを中心に研究を進めます。
同社は、冗長センサ、ブレーキ、その他の制御の必要性に関する技術的な課題の分析も行います。車両は、周囲を360度見ることのできる一連のカメラやセンサ、さらには車両の200メートル先までスキャンが可能なレーザーを搭載します。
実際、ボルボでは、自律走行車両のさまざまなパーツを何年も前から発表してきました。
2006年には適応走行制御、2007年には警告および自動ブレーキ機能を発表しています。
昨年には、前方の車と一定の距離を保つことのできるPilot Assist機能をXC90に標準搭載しました。
来年には、ボルボはPilot Assistの最新版を搭載したS90を発表します。最新版では、最高時速80マイルでの操縦をサポートします。
リンド氏によれば、同社では毎年自律機能を発表していく予定です。
その間、Drive Meプロジェクトが、自律走行車両をより早く車道で利用できるようにするのに必要なデータの生成を支援します。
「Drive Meは、単なるボルボの重要なプロジェクトのスタートではありません」とリンド氏は言います。「運転に自由を取り戻すことのできる、エキサイティングな未来に向けての取り組みでもあるのです」
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