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IBM、ダンスを踊り、あなたのプロフィールから悲しみと怒りを感じとるマシンをGTCで発表

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海岸をゆっくり散歩したり、人生の新たな章を歩み始める、といった言葉を並べたとしても、周りにはあなたの本当の姿は丸見えです。また、それができるマシンも少なくとも1台誕生しています。

GPUテクノロジ・カンファレンスの基調講演で、IBMフェローであり、Watson担当バイスプレジデント兼最高技術責任者であるロブ・ハイ(Rob High)氏は、次のような事例を紹介しました。IBMのWatsonコグニティブ・コンピューティング・テクノロジにより、出会い系サイトのひどく陳腐なプロフィールから悲しみや怒りを読みとったり、からかうような質問に対しておどけて踊ることをロボットに教えたりすることが可能だというのです。 

これらは、私たちを驚かせ続けるIBMのWatsonテクノロジが行った最新の事例です。5年前、Watsonは、テレビのクイズ番組「ジョパディ!(Jeopardy!)」の過去最強のチャンピオン2人と対戦し、100万ドルを獲得して、広く知られるようになりました。

「マシンが100万ドルで何をするかわかりませんが」とNVIDIAのアクセラレーテッド・コンピューティング担当バイスプレジデントであるイアン・バック(Ian Buck)は冗談を交えつつ、ハイ氏を4,000人以上の観客に紹介しました。「強化による学習という観点からすると、かなり強力な強化だと言えそうですね」

まさに必要なもの

この勝利以来、IBMはテレビのクイズ番組で世界を驚かせた能力を、膨大なデータを分析し、洞察を得ることで、医師、弁護士、マーケティング担当者などが頼りにするさまざまなサービスへと適用してきました。


Watsonが、やりとりする相手の人間のことをよりよく理解できるようになっていることを説明するIBMのロブ・ハイ氏

これらはいずれも、マシンがより人間らしく考え、学び、反応することを学習していることを示す例です。ハイ氏はこれを「コグニティブ・コンピューティング」と呼んでいます。これは、私たちの身の回りのデータが増えるのにともない、需要がますます高まるスキルです。

現在、ハリー・ポッターの本6,500億冊分に相当する、2.5エクサバイトのデータが毎日生成されています。そして、2020年までには、この2万倍の44ゼタバイトという計り知れない量に膨れあがります。

このような情報過多は、医療ではすでに差し迫った問題となっているとハイ氏は説明します。ハイ氏によれば、典型的な医師が、最新の研究を読むために一か月に割くことのできる時間は、わずか5時間です。しかし、ある推定によれば、遅れをとらないためには、月に160時間も読む必要があるとも言われています。

「これは、単に人間の知性を再現しようとする学問的な活動ではありません」とハイ氏は言います。「人間の知性からヒントを得ることで、コンピュータ・システムが情報を理解し、私たちの手元にそれを提供してくれるようになることを目指しています」

必要な情報を人間に提供するには、マシンは、人間同士のやりとりにより近い形で人間と対応できるようになる必要がある、とハイ氏は言います。

さらなるパワーが必要

これには驚くほどの量の計算が必要になります。ハイ氏は、このようなコグニティブ・コンピューティングのタスクが、近いうちに世界の計算能力の大半を占有してしまうのではないかと予測しています。「さらなるスピード、さらなる計算能力が必要となる」とハイ氏は言います。

これを受けて、IBMでは昨年の終わりに、Watsonコグニティブ・コンピューティング・プラットフォームにNVIDIA Tesla K80 GPUアクセラレータを追加したと発表しました。プラットフォームの一部として、GPUは、Watsonの自然言語処理能力やその他の主要アプリケーションを強化します。

GPUは、コグニティブ・コンピューティングの最も計算が必要となる部分である「摂取」の段階で、特に役立ってきました。この段階では、Watsonは情報を取り込み、将来使用するために分類します。GPUを使用することで、トレーニングの速さが8.5倍改善されたとハイ氏は言います。

より上手に人間とやりとりを行い、人間から学習できる新世代のマシンを生み出すにつれ、すべてうまくまとまってくるだろう、とハイ氏は言います。

ハイ氏は次のようにも述べています。「コグニティブ・コンピューティングを進歩させるうえで、これは非常に有望な分野です。人工知能と、それをロボティクスによって具現化することとの間には、自然な結びつきがあると言えそうです」


Brian Caulfield

Brian Caulfield edits NVIDIA's corporate blog. Previously, he was a journalist with Forbes, Red Herring, and Business 2.0. He has also written for Wired magazine.

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