Linuxで最先端アプリケーションを使っている方々に朗報です。今後は仕事が格段にやりやすくなります――VMwareとNVIDIAによって実現しました。
先日、VMwareがHorizon 6 for Linuxをリリースしましたが、その高性能3Dグラフィックスを支えているのがNVIDIA GRIDテクノロジです。つまり、データセンターに設置したハイエンドのLinuxワークステーションから、インターネット対応機器を使う社員にワークステーション並みの体験を提供できるようになったわけです。
これは、さまざまな業界で大きなメリットとなります。
たとえば、映画用の特殊効果を制作するスタジオにとってもそうです。作業の大半が、Linuxでしか動かないアプリケーションで行われているからです。
VFXスタジオでは、社内のアーティストとフリーランサーがLinuxとWindowsのアプリケーションを使うワークフローが一般的です。一部のタスクはLinuxのアプリケーションで処理されます。具体的には、AutodeskのMaya、The FoundryのNUKEにMari、Side EffectsのHoudiniなどです。また、WindowsアプリケーションであるAdobeのPhotoshopやAutodeskの3ds Maxなどを用いるタスクもあります。
今回、仮想マシンがWindowsだけでなくLinuxもサポートするようになったため、誰のどのマシンでも、必要なアプリケーションのすべてを走らせられるようになりました。しかも、VMwareのHorizon 6はNVIDIA GRIDによる高速化に対応していますから、デスクトップのシステムと同じパフォーマンスが得られるのです。机の下に2台ものコンピュータを置く必要は、もう、ありません。
もうひとつ、石油やガスの資源開発をしている会社の例を見てみましょう。このような会社では、世界中に散ったチームが膨大なデータからなるモデルで作業を進めるといったことがよくあります。石油地球科学の分野では、一般に、LandmarkやParadigmといったソフトウェア・プロバイダが提供する地球科学的なマッピングや解釈の先端アプリケーションをLinuxで走らせ、地下データを3次元的に解釈します。
このとき、GRID仮想マシンをデータセンターに採用すれば、巨大なデータ・セットのすぐ横に計算用資源を置くことができます。つまり、データ・セットをローカルワークステーションに移動する必要がなく、その分、検討の際に実際に使える時間が増えるのです。たとえば北海の石油プラットフォームなど帯域幅が制限されている場合、これは大きなメリットとなります。
政府関連機関も、オープンソースのLinuxベース地理情報システムを使っていることがよくあります。そのような政府機関がGRIDで高速化したLinux仮想マシンを採用すれば、機密性の高いデータ・セットを集中管理できるようになります。ラップトップやタブレットを盗まれても、機密データが漏洩する心配はなくなるわけです。
データセンターでLinuxワークステーションを仮想化すれば、さまざまなメリットが期待できます。
まず、巨大データ・セットを遠くから取り扱わなければならないケースで社員間のコラボレーションを推進することができます。購入・維持しなければならないワークステーションの台数も少なくなります。また、データがデータセンター外に出ないので、セキュリティも強化されます。
NVIDIA GRIDの優れたパフォーマンスにより、生産性も上がります。仕事をすばやく効率的に仕上げられるようになるのです。
NVIDIA GRID対応のVMware Horizon 6 for Linuxについて、詳しくは、こちらをご覧ください。