スーパーコンピュータ、高性能望遠鏡、火星探査機・・・GPUはさまざまな機器の驚くような機能に役立っている。
今回、われわれのより身近な機器である調理用オーブンにGPUが搭載された。
「ジューン・インテリジェント・オーブン」はただのオーブンではない。美しく洗練されたエンジニアリングの傑作だ。その機能や装置を駆使すれば、失敗なしで三ツ星レストランのシェフが作るような料理を振るうことができる。
コンピュータビジョンやディープラーニングといった技術のおかげで、いつでも完璧な料理が食べられる。おまけに、搭載されているNVIDIA社のプロセッサ「Tegra K1」が食材を見分けて自動調理してくれるので手間いらずである。
見た目も性能も、スマートなオーブン
開発に1年半を費やした「ジューン・オーブン」は滑らかなデザインで、内部の調理スペースを最大限に活かせるよう幅広である。扉窓には一体型のタッチパネルが搭載され、5インチの美しいディスプレーは誰でも簡単に使える。
キッチンカウンターに合わせてデザインされたこのオーブンには、チキン丸1羽、パン9切れ、1/4サイズの天板、12ポンドの七面鳥1羽までもが入る容量だ。
しかし、驚くのはまだ早い。デュアルサラウンド対流技術と、瞬時に起動する炭素繊維発熱体によってあなたの好物を熟練の技で調理してくれる。ステーキやチキン、クッキーやケーキ、トースト、ロースト、ロブスター。何でもこなせる頼もしい存在だ。
高解像度カメラが食材をのぞき込み、素材を特定する。例えば、半分にスライスしたベーグルが上向きか下向きかを「見る」ことができるこのオーブンなら、自動で外はカリカリ、中はふわふわの焼き上がりにしてくれる。
さらに、オーブン上部にはキッチン量りが内蔵されていて、食材の重さを測って調理時間を決定し、中心温度はプローブ温度計が測る。
これ以外にも、搭載されたさまざまなセンサーのデータを(「Tegra K1」チップで稼働するCUDA並列計算プラットフォームに構築された)機械知能アルゴリズムが処理して、完璧な焼き加減を実現するのだ。
さらに、このオーブンは、ソフトウエア・アップデートを無線で受信して、どんどんスマートになってゆく。これまで作った料理をベースに、あなたの好みも学習する。あなたの好きな設定で、あなた好みの火の通り具合の料理が、ワンタッチででき上がる。
ジューン社は商品開発中にコンピュータビジョンとディープラーニングの技術を磨くためにNVIDIA 社の「Jetson TK1 DevKit」を活用した。
ジューン社のCTOで共同設立者のNikhil Bhogal氏は、次のように述べている。「私たちはリアルタイムのコンピュータビジョンを実現するために、高性能なプロセッサが必要でした。NVIDIAの『Tegra K1』と『Jetson TK1 DevKit』のおかげで試作品が早くでき、期待以上の製品を開発できました」
このオーブンは「セット・アンド・フォゲット(設定したら、あとはお任せ)」という使い方ができる一方で、自分のタブレットとつなぐこともできる。スマートフォンやタブレットに高鮮明度のライブ映像を流してくれるので、クッキーに焼き色がついたり、ケーキが膨らんだりする過程を端末上で見られる。焼き上がりと同時に手持ちのモバイル端末に通知してもらうことも可能だ。
www.juneoven.comでは、「ジューン・インテリジェント・オーブン」のさらに詳しい情報が見られ、なんと注文も受け付けている(来春出荷予定)*。また、TwitterとInstagramで@Juneを、FacebookとPinterestでTheJuneOvenをフォローすると、おいしい料理情報満載のジューン最新情報を見られる。
*現在、出荷および使用は米国のみ対応