世界最先端のロボットを生みだした国に最先端の組み込みコンピューティング・プラットフォームを持ちこんだらどうなるでしょうか。
山のような人だかりができるでしょう。
少なくとも、東京で先日行われたMaker FaireのNVIDIAブースではそうなりました。
2日間にわたるこのイベントでは、大勢の研究者や学生、エンジニアが注目するなか、ロボティクスのデモ各種が行われました。歩くロボット、はい回るロボット、来場者の頭上を滑空するマイクロボットまでが登場し、ロボティクスの世界に浸る人たちで一杯の会場には熱気があふれていました。
当然ながら、我々は、Jetson TK1開発キットを新進のロボット研究者たちに紹介することにしました。
GE Intelligent Platforms部門が開発した「TK1 Unmanned Reconnaissance Bot」-TURBOの展示です。TURBOは、ステレオカメラから取り込んだ映像をJetson TK1開発キットで処理し、進む道を判断します。手前に写っているのはリアルタイム・オブジェクト追跡ボットで、後方の大型テレビではロボットが見ている映像を確認することができます。
紹介には、GEの友人たちが協力してくれました。
フェアが始まった瞬間からブースには多くの人が殺到したのですが、GEが用意してくれたJetson TK1を使ったロボット2体に、来場者はみな度肝を抜かれていました。「TURBO」というタンク型のロボット(「TK1無人探査ボット(TK1 Unmanned Reconnaissance Bot)」の略)と高速パン&チルト対応カメラを搭載し、リアルタイムでオブジェクトを追跡できる装置の2基です。
TURBOは、LIDARを使ったコンピュータビジョンによって障害物をリアルタイムに検出し、衝突を避けることができます。オブジェクト追跡ボットはCUDAのアルゴリズム各種を活用し、来場者のあいだをすばやく動きまわるオレンジ色のボールを「目」であるステレオカメラでなんなく追うことができます。
リアルタイムのコンピュータビジョンというとエネルギーをどか食いする大型のコンピューティング・プラットフォームでなければ使えないと思われがちですが、192コアのTegra K1モバイル・プロセッサを搭載したJetsonでも実現可能であることが、今回、TURBOのデモで示されたわけです。
Jetson TK1開発キットを賞品としたコンテストもあり、TURBOの自律機能に刺激を受けた人々が大勢参加しました。残念ながら優勝できなかった人も、その多くは、CUDAプログラミングを勉強してコンピュータビジョン・アプリケーションを開発しようと開発キットを購入して帰られました。
Jetson TK1開発キットは来場者をうならせ、日本トップクラスのロボット研究者に感銘を与えたと言っていいでしょう。来年のMaker Faire Tokyoはあまりに先のことなので、我々としては、その前にロボティクス関連でなにか楽しいことを東京でやりたいと考えています。
では、ロボット君、それまでごきげんよう。
JetsonプラットフォームやJetson TK1開発キットについて詳しく知りたいと思われた方は、NVIDIA Embedded Computingデベロッパ・センタのページをご覧ください。
この背景にある世界トップクラスの技術についてもっと知りたいと思われた方は、GE Intelligent Platforms部門のダスキン・フランクリン(Dustin Franklin)氏が書かれたParallel Forallブログの記事をお読みください。