すごいゲーム用ハードウェアには、すごいゲームが必要です。
我々には、世界最先端のGPUを作りあげたという自負があります。ですが、今月公開された『Borderlands: The Pre Sequel』のように画期的なゲーム体験を実現するには、すごいハードウェア以外にも必要なものがあります。だから、我々は、すばらしいソフトウェアにも一生懸命に力を入れています。
このようなことをしているのは、すごい体験をしたいとゲーマーのみなさんが願っておられることをよく知っているからです。我々も同じゲームをプレイしますから、見たこともないようなものがゲームに出てきたとき、どう感じるのかわかっています。また、そのような体験を生みだすため、開発者の方々がどれほどの努力をしておられるのかもよくわかっています。だから我々はGameWorksを作りました――最新のアイデアを開発者の方々に使っていただくことができるソフトウェアのライブラリとツールを作ったのです。
この開発は、最新技術をさらに推しすすめるために作られたNVIDIAの開発者チームが中心となって進めました。チームには、一流のゲーム開発会社で長年にわたってコーディングをしたベテランもいます。世界の有名大学で博士号を取った人もいます。そのような人たちの力を活用して、グラフィックス・アルゴリズムの中核を支える最先端の計算数学に立ち向かったわけです。
成果もあがりつつあります。しかも、その恩恵をこうむるのは、当社のハードウェアを使うゲーマーの方々だけではありません。2014年には、有力PCゲームの半分以上がGameWorksテクノロジを使うようになりました。いや、この言い方では実情を十分に伝えられませんね。主なゲーム・エンジン――CryEngine3、id Tech 5、Source、Unreal Engine 4、Unity――のほとんどがGameWorks機能をサポートするようになりました。その結果、コンソールやモバイル・ゲーム、クラウド・ゲームでもGameWorksテクノロジが使われるようになっています。
では、その成果を簡単にご紹介しましょう。
HairWorks
NVIDIA HairWorksは、既存のNVIDIAテクノロジを活用し、かつてないほど生き生きとした髪の毛や毛皮がレンダリングできるようにする機能です。
CD Projekt社(ポーランド)の『Witcher 3』でプレーヤーに向かってくるオオカミには、20万本もの毛があります。しかも、そのすべてがリアルタイムにシミュレーションされています。毛皮の状態は、「波打ち具合」から「固まり具合」まで、あらゆる面でコントロール可能です。このゲームは中世時代の欧州を舞台としており至るところに馬が出てくるのですが、その馬のたてがみやしっぽも、同じく忠実に再現されています。
キャラクタとしてたくさん登場する人間の髪の毛も同様です。
HairWorksは、『Call of Duty: Ghosts』に登場する人気のドイツ・シェパード、ライリーにも使われています。このゲームでHairWorksを使ってシミュレーションされている毛の本数は、ライリーだけで、最大50万本にも達します。しかも、その1次モーションと2次モーションの両方がシミュレーションされているのです。これほどの表現が当社のハードウェアだけでなく、DirectX 11対応システムのすべてで可能となるよう、NVIDIAはできるかぎりの努力を惜しみませんでした。
爆発
爆発は、人気のゲームに必ず登場すると言っても過言ではありません。また、爆発があれば、煙が立ち上ります。この煙を完全にイマーシブとなるリアリティでレンダリングできるのが、GameWorksのコンポーネント、APEX Turbulenceです。『Call of Duty: Ghosts』では、このNVIDIAソフトウェアを活用し、壮観なエフェクトを実現しています。レンダリングしているのは、発煙弾の爆発で生じるあたり一面のもや全体だけではありません。煙の粒子一つひとつがインタラクティブであり、ゲームにおける他の物理現象の影響を受けるのです。この煙のなかをキャラクタが駆けぬける様子を見れば、それが現実そっくりだとおわかりになるはずです。
流体
『Crazy Machines II』や『Alice: Madness Returns』など、インタラクティブな流体シミュレーションを活用した人気ゲームが世の中にはたくさんあります。たとえば『Borderlands 2』は、流体エフェクトをうまく使ってイマーシブなゲーム・プレイを実現しています。このゲームには、プレーヤーにスラグを吐きかけ、べとべとにして攻撃でダメージを受けやすくするキャラクタがいます。NVIDIAの流体シミュレーションをフル活用しているのが、このスライムです。巧みなプレーヤーならこの攻撃をうまく避け、生き残れるチャンスを高めることができます。
『Borderlands: The Pre-Sequel』では、この流体エフェクトがもっとリアルになっています。
ただ眺めてみる
髪の毛。爆発。流体。これだけがGameWorksではありません。でも、ともかく、我々がなぜGameWorksを開発したのか、その理由が知りたい方は、『Call of Duty: Ghosts』か『Borderlands 2』を立ちあげてみていただくのが一番です。
これこそ、「What You See Is What You Get」――見たままそのとおりだと言えるでしょう。PhysXとかFaceWorksとか、MFAA, TXAA, ミドルウェア、HBAO+とか、業界人でもなければわからないような単語など、気にする必要はありません(この言葉が意味するものも大事なのですが、それについては別の投稿で紹介します)。ただ、じっと眺めてみてください。
キャラクタの髪の毛が風に揺れるとき、爆破されて部屋が吹っ飛ぶとき、斜面を水が滝のように流れ落ちてくるとき、GameWorksチームはいい仕事をしたとわかっていただけるはずです。これこそ、我々がGameWorksを作った理由です――ゲーマーのみなさんが毎日目にするものが成果となる投資というわけです。
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