このたび、「NVIDIA VR Funhouse」がリリースされました。このリリースにより、ゲーミング・エコシステムにおいてNVIDIAが果たす役割がゲーム・クリエーターにまで広がります。
NVIDIAが手掛けた初のゲーム・タイトル「NVIDIA VR Funhouse」は、EpicのUnreal Engine 4を基盤としています。NVIDIAのLightSpeed Studiosによって発案され、2つの目的をもって開発されました。
まずは、「おもしろさ」。年齢やVR体験の有無、あるいは新しいもの好きかどうかにかかわらず、だれもが楽しめるものにしたいと考えました。
次に、「没入感」。物理シミュレーションが体験と完全に統合されたとき、VRの没入感がいかに高まるかを証明するために開発されました。
物理シミュレーションはなぜVRに不可欠か
10年近くもの間、NVIDIAは物理的に正確な3D環境のシミュレーションを実現するため、「PhysX」SDKの開発に取り組んできました。PhysXは、これまでに500本を超えるPC版やコンソール版のゲームに視覚効果をもたらしています。
初期のVRゲームやVR体験が登場したとき、私たちはすぐに物足りなさを感じました。物理シミュレーションがほとんど採用されていなかったためです。VRは、プレイヤを仮想オブジェクトに触れさせて、インタラクティブに操作できる体験の中へと引き込みます。だからこそ、それらのオブジェクトの動きや反応には現実味が欠かせない、そうNVIDIAは考えました。
従来のPCゲームとは異なり、VRゲームにおける物理シミュレーションの意味は、単なる視覚効果にとどまりません。物理シミュレーションは、没入感を実現するうえで不可欠な要素なのです。
そのため、「NVIDIA VR Funhouse」では、物理シミュレーションをゲームのあらゆる面に統合し、それを見事なグラフィックスや厳密な触覚学と組み合わせ、プレイヤをまるでお祭り会場にいるかのような感覚に導きます。
NVIDIAは、このタイトルにNVIDIA GameWorksとVRWorks SDKのテクノロジを搭載しました。
NVIDIA GameWorksを使って開発された特殊効果には、次のようなものがあります。
- NVIDIA PhysX Destruction: シューティング・ゲームで弾が命中した標的がまるで本物のようにはじけ飛ぶ効果を生み出します。
- NVIDIA FleX: カーテン、リボン、バスケットボール・ネットに本物の繊維のような質感をもたらします。また、この効果は、ピエロの風船レース・ゲームで現実味のある流動性を生み出すのにも使われています。
- NVIDIA Flow: 移動する固形の物体や乱れた流体の動きに粒子が実際に反応しているかのような効果を生み出します。この効果は、プレイヤが紙ふぶきの詰まった風船をはじき、剣でたたき割って、紙ふぶきとたわむれるステージで見られます。また、Flowは、弓矢を使用し、矢に火をつけて放つと、標的が燃えるステージでも使われています。
- NVIDIA HairWorks: 「Whack-A-Mole and Punch-A-Mole」レベルで実物そっくりの毛の質感をもたらします。
これらの特殊効果には高い処理能力が必要になりますが、NVIDIAは、Multi-Res ShadingやVR SLIといったNVIDIAのVRWorksテクノロジを採用することでパフォーマンスを向上させました。
開発者の皆さまにNVIDIAのSDKをお試しいただくため、今夏「VR Funhouse」をオープンソース化する予定です。VR業界やゲーム業界の開発者、愛好家、アーティストの皆さまは、ぜひこの機会に独自のミニゲームの開発を始めてください。
NVIDIAは目標の達成に向け、「VR Funhouse」を「最低スペック」の体験ではなく、愛好家にご満足いただける体験とするべく開発を進めました。そのため、GeForce GTX 980 TiまたはGeForce 10シリーズのGPUでご体験いただくことをお勧めします。また、最高の没入体験を得るには、デュアルGeForce GTX 1080をご利用ください。
VRゲームでの最先端のグラフィックスと現実味のある物理モデリングの融合をご体験いただくには、今すぐSteamで「NVIDIA VR Funhouse」をダウンロードしてみてください。