量子コンピューティングは、インシリコ薬物設計のスケールアップから、従来の方法では極めて複雑な大規模の物流問題の最適化まで、世界最大の計算課題を解決する道筋を短縮するものと期待されています。
量子ハードウェアを最先端の AI スーパーコンピューターに統合し、アクセラレーテッド量子スーパーコンピューターを形成することで、今日の量子プロセッサの拡張を加速し、これらの複雑な課題を解決する有用なデバイスにすることができます。
COMPUTEX 見本市で、NVIDIA は台湾のスーパーコンピューティング エコシステムにおけるパートナーとの協業が、量子コンピューティングをアクセラレーテッド量子スーパーコンピューターに向けて推進していることを強調しました。
主要なハードウェア開発者は、NVIDIA と協力して、量子研究者がこの分野で成果を上げるためのツールを提供しています。
Atlantic Quantum、エジンバラ大学、オックスフォード大学、Quantum Circuits Inc.、QuEra Computing、エール大学は、Supermicro から NVIDIA Grace Hopper Superchip の提供を受けて、AI スーパーコンピューティングと量子コンピューティングの交差点を探り、改良を推進する見込みです。
Compal は、NVIDIA CUDA-Q プラットフォームを使用して構築された CGA-QX プラットフォームを発表し、量子最適化問題のシミュレーションを高速化しました。 このプラットフォームは、台湾の国家科学技術委員会に採用され、台湾の大学の研究者が利用可能となっています。
Quanta は、NVIDIA CUDA-Q を活用して物理量子ハードウェアの実験を行い、プラットフォームの状態ベクトル シミュレーションを利用して既存の量子プロセッサの検証と妥当性確認を行っています。これにより Quanta は、システム内のノイズの詳細を理解し、関心のあるユースケースにおける性能の評価を行うことが可能になります。
NVIDIA はまた、アクセラレーテッド量子スーパーコンピューティングを推進するために、スーパーコンピューティング センターと協力しています。
台湾ナショナル スーパーコンピューター センター (NCHC)は、量子研究用の新しいスーパーコンピューターを発表しました。ASUS が構築した NCHC の AI スーパーコンピューターは、1,700 基以上の GPU を搭載した NVIDIA HGX H200 システム、2 つの NVIDIA GB200 NVL72 ラックスケール システム、次世代の NVIDIA Blackwell Ultra プラットフォーム上に構築された NVIDIA HGX B300 システムを搭載し、NVIDIA Quantum InfiniBand ネットワークで相互接続されます。COMPUTEX で発表され、今年後半には稼働する予定です。
NCHC は、量子コンピューティングに取り組んでいる 20 社以上の企業、いわゆる「National Quantum Team(国家量子チーム)」と協力しています。NVIDIA CUDA-Q は、機械学習から化学まで幅広いアプリケーションの量子ソリューションを探求するためにセンターで使用されています。
日本では、産業技術総合研究所の量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター(G-QuAT)が運営する ABCI-Q は、量子ワークロード専用として世界最強のスーパーコンピューターで、2,000 基以上の NVIDIA H100 GPU を搭載した NVIDIA スーパーコンピューターと、富士通、QuEra Computing、OptQC の量子プロセッサを統合しています。
これらの量子 AI プラットフォームが利用可能になることにより、新しい誤り訂正符号の開発、AI スーパーコンピューターと量子プロセッサの統合、量子ハードウェアの低ノイズ設計のシミュレーションなど、研究者が量子コンピューティングで実現できる画期的な成果を加速させることができます。
5 月 21 日から 22 日に開催される NVIDIA GTC Taipei でアクセラレーテッド量子スーパーコンピューティングを推進する NVIDIA の取り組みの詳細をご覧ください。