ロンドン大学キングス カレッジと NVIDIA が、専門病院における AI インフラストラクチャのゴールド スタンダードを構築

投稿者: Kimberly Powell

医学研究のリーダーである、ロンドン大学キングス カレッジ (KCL) は、NVIDIA DGX-2NVIDIA Clara プラットフォームを導入する、ヨーロッパで最初のクリニカル パートナーです。KCL は、イギリスの国民保健制度に加入している 800 万人の患者によりよいサービスを提供することを目指し、NVIDIA のAI ソリューションを採用して、放射線医学と病理学の業務を再考しようとしています。

NVIDIA と KCL は、キングス カレッジ病院、Guy’s and St Thomas’トラストおよび South London and Maudsley トラストを含む、都市全体を網羅した NHS トラスト ネットワークに加盟している、ロンドンの大手病院の臨床医と同じ場所に、研究者やエンジニアを配置しようとしています。研究者、技術者および臨床医がトリオを組むことにより、重要なデータ戦略やターゲットとなる AI の問題の発見、ならびに臨床現場に導入するスピードが加速されるようになります。

KCL の医用生体工学および画像科学部のヘッドである セバスチャン ウーセリン (Sebastien Ourselin) 教授は次のように話しています。「AI の卓越した能力を使って、結果的に診断をより早く、これまで以上に正確に下せるようになるため、今回の取り組みは、診療の結果を大きく改善させる、大きな機会であると言えます。このパートナーシップにより、医療画像と医療記録における我々の専門知識と NVIDIA のテクノロジが組み合わされ、イギリス全体で患者のケアが向上するようになるでしょう」

最初に行うのは、KCL の先進の医用画像と分析における課題で、DGX-2 のパワーを活用することです。DGX-2 システムの大容量メモリと 2 PFLOPS の演算能力により、大規模な 3D データセットを訓練するという課題を、数日ではなく、数分でこなすことができるようになります。

大規模なトレーニングは扱いづらいですが、DGX-2 により、Niftynet のような医用画像用 AI ツールの機能を強化することが可能となります。Niftynet は、TensorFlow をベースとした、オープンソースの畳み込みニューラル ネットワークのプラットフォームとして KCL で開発され、医用画像分析および画像誘導放射線治療の研究で使用されています。

インフラストラクチャとツールが AI アプリケーション開発の心臓であるとすれば、データは、心臓に魔法のような働きをさせる血液と言うことができます。集約化されていないデータから学習する能力である、フェデレーテッド ラーニングも、その一例です。

KCL のクリニカル ネットワークと連携し、フェデレーテッド ラーニングにおける技術面とデータの管理という問題に対処することにより、脳卒中や神経学的障害のより精度の高い分類といったブレイクスルーが生まれ、最適な治療の推薦ができるようになり、さらにバイオマーカー判断の自動化も可能となります。

NVIDIA Clara は、上記のようなブレイクスルーのアプリケーションをデプロイするためのコンピューティング プラットフォームです。クララ バートンにちなんだ、その名称が示すように、このプラットフォームは、人々を救うことを目的としています。このプラットフォームは、臨床アプリケーションをどこでも最適な性能で、必要な時に動作させることができます。

開発から臨床現場への導入に至るすべての過程で、NVIDIA と KCL は、AI を効率化させながら、同時に必要なツールやインフラストラクチャ、ベスト プラクティスを構築し、臨床のエコシステム全体をサポートしようとしています。