毎週お届けする新しい「In the NVIDIA Studio」シリーズが開始。創刊号では Unreal Engine、Blender、Substance 3D で制作されたすばらしいアート作品とともに、 3D アーティストのジャスミン ハブザイフェクリ (Jasmin Habezai-Fekri) を特集します。
コンテンツ制作はいまだかつてないほどエキサイティングになっています。今では、絵の具や石のような制作材料や、巨大なアトリエという場所の制約に縛られることなく、ビジュアル アーツをいつでもどこでも制作できるようになっています。
ただ、クリエイティブであることは依然として困難で時間がかかります。NVIDIA は、プロセスに集中できるツールをクリエイターに提供することにより、より簡単により速く制作ができるように考えました。
それが NVIDIA Studio です。NVIDIA Studio は、NVIDIA RTX GPU を活用し、世界クラスの Studio ドライバに支えられるクリエイティブなアプリの最適化、GPU で高速化された機能、AI 搭載アプリのエコシステムです。
「In the NVIDIA Studio」では、3D アニメーター、ビデオ編集、フォトグラファーなどにスポットライトを当て、インスピレーションと示唆に富んだ作品を紹介して、世界各地の創作活動を応援します。また、クリエイターはどのように NVIDIA GPU を活用して着想から完成までをかつてない速さで行っているのかを詳しく紹介します。
「In the NVIDIA Studio」の創刊号では、3D アーティストのジャスミン ハブザイフェクリ氏を特集します。ハブザイフェクリ氏の作品と、GeForce RTX 2070 GPU で高速化される Unreal Engine、Adobe Substance 3D、Blender をどのように使用しているのかを詳しく紹介します。
3D で夢見るジャスミン ハブザイフェクリ氏
「忘れ去られた図書館 (Old Forgotten Library)」と「柴犬像 (Shiba Statue)」
ドイツ在住のハブザイフェクリ氏はゲーミング業界で働く 3D 環境アーティストで、図案化した手描きの PBR テクスチャを使って小物や環境を制作しています。大きく大胆な色使いがアクセントのファンタジーや自然をテーマにした幻想的なシーンを楽しんで制作しています。
ハブザイフェクリ氏は、気まぐれな魅力を持ち、見る人の興味をそそるアート作品を制作し、没入感を作り上げ、彼女独自のスタイルを完成させることに情熱を注いでいます。
動画: https://blogs.nvidia.co.jp/wp-content/uploads/2022/04/studio-ins-jasmin-habezai-fekri-bird-house-final-loop.mp4
このような作品の 1 つに「鳥小屋 (Bird House)」があります。この作品は、さらなる考察を誘うスタイルとイマジネーションを融合したクリエイティブな作品です。このようなすばらしい効果を実現するためにハブザイフェクリ氏が用いている手法、プロセスに加え、テクニックや技術の一部を詳しく紹介します。
「鳥小屋」で、Unrealの使用方法を学ぶと同時に、ハブザイフェクリ氏は、「とても絵画的でありながら次世代の感覚をすべてに与え、3D 空間でとても 2D ぽいもの」を再現しようとしました。また、反復により、基本スキルを身に着け、決まったアートの方向性と視覚的なスタイルを持つことが、作品に彼女独自の特徴を与えることに気づきました。
ハブザイフェクリ氏は長年人気の Blender をモデリングに使用していますが、ハイポリ スカルプトがテクスチャやモデルに図案化されたディテールをもたらすために役立つように Zbrush も使用しています。繊細なディテールは、「没入感の創造が作品を制作する際に私にとって重要な側面です」と言うハブザイフェクリ氏が深めたいと考える現実世界の感情を呼び起こすために大変重要です。
Adobe Substance 3D Painter で手描きされた「鳥小屋」のテクスチャをより詳しく見ると、ハブザイフェクリ氏の個人的なタッチに気づかれるかもしれません。RTX GPU で高速化された Substance 3D のライトとアンビエント オクルージョンは、新しいテクスチャをほんの数秒で出力し、プロセスの高速化に役立っています。
「手描きのテクスチャと使うことで、アセットがとても強化され、非常に技術的なプロセスを通してアーティスティックな面を方向づけることができました」と彼女は言いました。
ハブザイフェクリ氏の作品では、鮮やかな色使いがよく見られます。作品を魅力的で親しみやすい雰囲気にするために、題材が元々はカラフルでない場合でも、あえて色を豊かにさせます。
ハブザイフェクリ氏は、特にすばらしい作品を作る他のアーティストやクリエイターに出会ったとき、新しいツールやワークフローを試そうとする中でもインスピレーションを見つけます。
学び続けてスキル セットを拡大することを避けることはできません。
最初からこの状況を受け入れようという姿勢が、
理解力を高めるために大変役立ちます。」
NVIDIA Studio エコシステムは、クリエイティブなアプリ開発者と提携することにより、制作期間の短縮に役立つ新たなツールを定期的にハブザイフェクリ氏に提供しています。たとえば、Blender のビューポートで RTX で高速化された OptiX レイ トレーシングを使うことで、ハブザイフェクリ氏は待ち時間なくリアルタイムにフォトリアルなレンダリングを行うことができます。
RTX GPU は、Blender Cycles 3.0 のレンダリング速度を最大 2.5 倍に高速化します。つまり、待ち時間が大幅に短縮され、制作に集中できる時間が増えます。
最後に、Unreal Engine ですべてをまとめて、最終的なテクスチャと色を適用します。NVIDIA RTX GPU は、AI を使用してディテールを維持しながら、より低い解像度でレンダリングしたフレームをアップスケールすることによって、Unreal Engine でビューポートのインタラクティブ性能を強化する DLSS のような高度な機能を備えています。
ジャスミン ハブザイフェクリ氏は Square Enix、Artstation に勤務した経験があり、現在は Airship Syndicate で働いています。同氏の作品はArtStation でご覧いただくことができ、新しいプロジェクトに関する知見が得られる新しい学習コースも提供されています。
NVIDIA Studio のリソース
ハブザイフェクリ氏は、「Stunning Art From Incredible Women Artists (才能溢れる女性アーティストのすばらしいアート)」という最新の Studio Standouts ビデオで NVIDIA がスポットライトを当てているアーティストの 1 人です。
Standout では、ユリア ソコロヴァ (Yulia Sokolova) 氏、ヌーハン イシュマイ (Nourhan Ishmai) 氏、エケム オクムス (Ecem Okumus) 氏、ローラ エスコイン (Laura Escoin) 氏のすばらしいデジタル アートをさらにご覧いただけます。
Substance 3D Painter でのテクスチャ制作について詳しくは、アーティストと Adobe クリエイティブ ディレクター ウラディミール ペトコヴィック (Vladimir Petkovic) 氏のシリーズ「From Texturing to Final Render in Adobe Substance Painter」をご覧ください。
世界各地でリアルタイムにコラボレーションを行い、同時に複数のアプリで制作を行っている 3D アーティストは増え続けています。NVIDIA Omniverse ではこのアーティストたちの仲間に加わることができます。
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制作プロセスの取材を引き受けて本稿の掲載作品を提供してくださった特集アーティストのジャスミン ハブザイフェクリ氏に深謝申し上げます。
「In the NVIDIA Studio」の創刊号はお楽しみいただけましたでしょうか。
来週号をお楽しみに。