通信業界において AI を活用した効率化の取り組みが成果を上げ始めています。
NVIDIA の第 3 回年次調査「通信業界における AI 活用状況」の主な結果の 1 つとして、RAN (無線アクセス ネットワーク) への AI 導入に対する関心の高まりが明らかになりました。回答者の 3 分の 1 以上が、AI-RAN への投資を行っている、または計画していると回答しています。本調査は、世界中の 450 名以上の通信業界の専門家を対象に実施され、AI がもたらす具体的なビジネス成果、AI 導入のさらなる進展 (生成 AI のユース ケースの拡大など)、顧客体験の最適化や従業員の生産性向上といったメリットが示されました。
本年度の調査の主な結果は以下のとおりです。
- 回答者の 84% が、AI によって自社の年間収益の増加に貢献していると回答。
- 回答者の 77% が、AI によって年間の運用コストが削減されたと回答。
- 回答者の 60% が、AI の最大のメリットとして従業員の生産性向上に貢献と回答。
- 回答者の 44% が、顧客体験の最適化のために AI に投資していると回答しており、これは通信業界における AI 投資で最も注力されている分野となっている。
- 回答者の 40% が、RAN を含むネットワークの計画や運用に AI を導入していると回答。
- 回答者の 49% が、生成 AI ソリューションを導入していると回答。
- 生成 AI を活用している回答者の 84% が、顧客にソリューションを提供することを計画。
AI が通信業界のビジネスにもたらす影響
調査結果から、AI が通信業界のビジネスに収益の増加とコスト削減に効果をもたらしていることが明らかになりました。回答者の 84% が AI によって自社の年間収益が増加したと回答しており、そのうち 21% が AI によって特定の事業分野の収益が 10% 以上増大したと回答しています。また、回答者の 77% が AI によって年間の運用コストが削減されたと回答しています。
AI の幅広いユース ケースと収益への影響が、将来に対する期待につながっています。回答者の 80% が、自社の将来の成功に AI が不可欠だと考えており、回答者の 3 分の 2 が 2025 年に AI インフラへの支出を増やすことを計画しています。
通信業界は AI 導入をリードしており、従業員の生産性、顧客体験、ネットワーク運用の向上について、明確に重点を置いています。AI インフラやトレーニングへの投資を継続することで、通信企業は最前線を走り続け、AI がもたらす多くのメリットを享受できるでしょう。
AI をネットワーク スタックに導入
通信ネットワークにおける AI の活用が勢いを増しています。回答者の 37% がネットワークの計画や運用を改善するために AI に投資していると回答しています。また、回答者の 33% が、昨年、現場における業務の最適化に、AI を活用するための投資を行ったと回答しています。
5G の収益化や 6G の研究開発を目的に AI に投資している回答者の 66% が、運用やユーザーのニーズへの対応を目的として、RAN に AI サービスを展開するための投資を検討しています。また、53% が RAN のスペクトル効率向上に AI を活用するための投資を行っており、50% が AI と RAN アプリケーションを同じインフラ上に配置するための投資を行っています。
通信業界における生成 AI の普及
生成 AI は通信業界で大きな注目を集めています。生成 AI を使用していると回答した回答者の半数以上がすでに最初のユース ケースを展開しており、3 分の 1 が今年中の導入を計画しています。
生成 AI を導入していると回答した回答者の 84% が、外部の顧客に生成 AI ソリューションを提供することを計画しています。また、半数強 (52%) が SaaS ソリューションとして生成 AI を提供すると回答しており、約 3 分の 1 (35%) がコンピューティング サービスなどの開発者向けのプラットフォームとして生成 AI を提供する予定です。
AI 開発では、複数のアプローチを活用する傾向が強まっており、その中でも自社開発やオープンソースの機能の活用が拡大しています。
詳しい調査結果を確認し、洞察を得るために、レポート「通信業界における AI 活用状況: 2025 年の動向 」をぜひダウンロードください。
NVIDIA の通信業界向け AI ソリューションやエンタープライズ プラットフォームについてもご覧ください。