VRWorks 360 Video SDKを利用し、VRコンテンツをリアルタイムでキャプチャ、スティッチング、ストリーミング

投稿者: Jason Paul

開発者やコンテンツ作成者が360度の素晴らしいコンテンツをキャプチャし、ブロードキャストできるようにするため、NVIDIAでは、当社のVRWorks SDKを拡張し、360度のビデオ・スティッチングを実現しようとしています。

急成長中のVR市場には、現在、主に2つのタイプのコンテンツがあります。リアルタイムでレンダリングされたアプリケーションと、360度パノラマでキャプチャされたビデオです。

NVIDIAのGPUは、リアルタイムのグラフィックスを高いフレームレートでVRヘッドセットの表示用にレンダリングすることでよく知られています。

VRで360度ビデオを表示するには、重厚なGPUは不要ですが、このようなビデオの作成には、グラフィックス・プロセッサーはますます重要になってきています。なぜならば、360度ビデオは、16台以上の個々の4Kカメラで作成されることが多く、ビデオ・スティッチングと呼ばれる演算負荷の高い処理を行って、1つの360度のパノラマにまとめられるからです。

莫大な数のカメラと角度からのビデオをキャプチャし、つなぎ合わせるという性質を持つ360度ビデオの撮影は、編集処理において多くの課題を生み出します。ショットの間の連続性、目に見える継ぎ目、端々のブラー、カメラ間の色合いの不調和やエクスポージャーがあると、非現実的なビュー体験に終わる可能性があります。スティッチングとストリーミングのプロセスには、コンテンツのタイプやビデオの長さによっては、完成までに何時間もかかる場合があります。

VRWorks 360 Videoを利用すると、コンテンツ作成者は、最高32台のカメラによるカメラ・リグからビデオ・フィードを撮影し、オフラインまたはリアルタイムのどちらでも、1つの360度ビデオにつなぎ合わせることができます。* このSDKは、GPUの加速化によってビデオのデコード、イコライゼーション、キャリブレーション、スティッチング、エンコードを、優れた質とパフォーマンスで実行します。さらに、カスタマイズされたリグやカメラのパラメーター、さまざまなタイプの魚眼レンズにも対応できます。

360 Video SDKは、NVIDIAのGPUDirect for Videoとも互換性があり、カメラ・リグからGPUへのビデオ取り込み時のレイテンシーを低減します。

STRIVR社のCTOであるマサキ・ミヤノハラ(Masaki Miyanohara)氏は、次のように述べています。「360度ビデオのキャプチャおよびスティッチングには時間がかかり、演算負荷の高い処理能力が求められます。NVIDIAのVRWorks 360 Video SDKは、STRIVRのワークフローのスピードアップ、およびリアルタイムで高品質な360度ビデオの提供に役立ちます」

NVIDIAは、今週、カリフォルニア州アナハイムで開催中のSiggraph において、VRWorks 360 Video SDKを展示しています。デモでは、SDKを使用したNVIDIAのPascalベースQuadro GPUを搭載したノートパソコンを使い、4Kカメラ・リグからのビデオをリアルタイムでスティッチングし、ほとんど気付かないほどのレイテンシーで実現しています。

SDKは、VR開発者およびコンテンツ製作者が活用できるよう、今年中に一般にリリースされます。VRWorks developer pageに登録すると、360 Video SDKのダウンロードが入手可能になりしだい、通知をお送りします。

#SIGGRAPH2016を利用し、Siggraphの最新情報をご覧頂けます。

* リアルタイム・スティッチング用のビデオ・ストリームの数は、ビデオ取り込みの能力やシステム・パフォーマンスにより制限される場合があります。