GDC において、NVIDIA が RTX SDK を拡張し、PC エコシステムの発展を加速
本日、Arm プラットフォーム上でGeForce RTX テクノロジを実装した2 つの新しいデモをNVIDIAが公開し、先進的なグラフィックスをより多様で、より電力効率の高い一連のデバイスに拡張できるようになったことを示しました。
これら 2 つのデモは今週の Game Developers Conference で公開され、Bethesda Softworks および MachineGames の 『Wolfenstein: Youngblood』、ならびに Open Research Content Archive の 『The Bistro』 が、MediaTek Arm プラットフォーム上でレイ トレース グラフィックスを実装し、リアルタイムで動作しました。
RTX は、業界を一変させました。NVIDIA は現在、ゲーマーがより多くの選択肢を持てるように、先進のグラフィックスに対応する、新しいプラットフォームへの投資を行っています。ARM CPU と NVIDIA のテクノロジの融合によってもたらされる性能とエネルギー効率は、まったく新しいクラスの PC への扉を開くでしょう。
MediaTek のインテリジェント マルチメディア ビジネスユニットのジェネラルマネージャーである PC ツェン (PC Tseng) 氏は、次のように話しています。「RTX は、過去 20 年間の PC ゲーミング史上で、最も画期的な技術です。MediaTek と NVIDIA は、Arm 搭載の高性能 PC という、新たなカテゴリーの基礎を築いています」
RTX on Arm 展開中
NVIDIA RTX on Arm の可能性を示すために、開発会社の MachineGames は、『Wolfenstein: Youngblood』 のデモにおいて、美しいレイトレース リフレクションを披露しましたが、これらはすべて、GPU で加速されたディープラーニング アルゴリズムを使用してフレームレートを向上させる、NVIDIA DLSS によって高速化されています。
NVIDIA はさらに、Arm 搭載システム上で、レイ トレースされたフランスの都市のシーンの詳細を描いた 『The Bistro』のデモが、RTXによっていかに強化されたのかを示しました。
上記の 2 つのデモは、NVIDIA GeForce RTX 3060 GPU と MediaTek Kompanio 1200 Arm プロセッサを組み合わせて行われました。『Wolfenstein: Youngblood』 では、id Software が作った idTech ゲーム エンジンが使用され、『The Bistro』 では、NVIDIA のサンプル フレームワークが使用されました。
デモは、こちらでご覧いただけます。
NVIDIA、RTX SDKのサポートをArm および Linux に対応拡大
上記のデモが可能となったのは、NVIDIA がソフトウェア開発キットを強化し、Arm および Linux に 5 つの主要な NVIDIA RTX テクノロジを実装できるようにしたからです。
それらのテクノロジには、以下が含まれています。
- AI を活用して、フレームレートを向上し、ゲームの美しくシャープな画像を生成する、Deep Learning Super Sampling (DLSS)
- 開発者がゲーミング環境に動的なライティングを追加できる、RTX Direct Illumination (RTXDI)
- 現実世界で光が跳ね返る様子を再現する、RTX Global Illumination (RTXGI)
- AI を使って、高い忠実度の画像をより高速にレンダリングできるようにする、NVIDIA Optix AI-Acceleration Denoiser (NRD)
- アプリケーションがグラフィックス メモリを使用する方法を最適化する、RTX Memory Utility (RTXMU)
RTX on ARM の可能性
GeForce RTX テクノロジは、GPU アクセラレーテッド レイトレーシング、NVIDIA DLSS、ならびに AI を活用したその他のテクノロジで構成されており、2018 年の登場以来、リアルタイム グラフィックスに大きな影響をもたらしてきました。
世界の主要なゲーム制作会社が NVIDIA RTX テクノロジによって、自社の人気フランチャイズの差別化を図ろうとしています。RTX テクノロジは、『Battlefield』、『コールオブ デューティ』、『サイバーパンク2077』、『DEATH STRANDING』、『Doom』、『Final Fantasy』、『フォートナイト』、『LEGO』、『Minecraft』、『Quake』、『レインボーシックス』、『Red Dead Redemption』、『Rust』、『トゥームレイダー』、『ウォッチドッグス』および 『Wolfenstein』 といった、人気ゲーミング フランチャイズの多くで採用されるようになっています。
その結果、RTX テクノロジは業界からの幅広い支援を得るようになっています。
- 「NVIDIA が RTX の対応を Arm および Linux に拡張することは、ゲームだけでなく、自動車業界のような産業界にも便益をもたらす可能性があります。自動車業界では、大手のメーカーが、デザインの可視化だけでなく、デジタル コックピットやインフォテインメントにも Unreal Engine を使用しているからです。当社では、多様なプラットフォームを横断して活用できる、パワフルな機能と SDK はいつでも大歓迎です」 – Epic Games の Unreal Engine 開発担当ディレクターであるニック ペンワーデン (Nick Penwarden) 氏
- 「『Wolfenstein: Youngblood』 は、Arm ベースのシステムで作動した、初の RTX PC ゲームで、このことは、iD Tech エンジンの柔軟性、パワーおよび最適化が可能な特性を証明しています。iD Tech のテクノロジを活用したゲームが、Arm CPU で動作し、レイトレーシングに対応することは、すべてのゲーム開発企業の選択肢が増え、より多くのゲーミング プラットフォームから選択できるようになる未来に向けての大きな一歩となるでしょう」 – MachineGames の CTO であるジム ケリン (Jim Kjellin) 氏
- 「RTX が Arm と Linux にも対応することにより、開発者は、より多様なプラットフォームでより没入感のある体験を提供できるようになります。GeForce RTX の最先端のグラフィックス機能により、Arm プラットフォームを対象としている、Unity の開発者は、制作のためのより多くのツールを手に入れられるでしょう」 – Unity のハイエンド グラフィックス担当製品マネージャー、マシュー ミューラー (Mathieu Muller) 氏
- Linux および Chromium 対応の Arm 向け RTXDI、NRD および RTXMU SDK は、現在入手可能です。RTXGI と DLSS はまもなく公開される予定です。詳しい情報は、NVIDIA の開発者リレーション担当チームにお問い合わせいただくか、https://developer.nvidia.com をご参照ください。
Linux および Chromium 対応の Arm 向け RTXDI、NRD および RTXMU SDK は、現在入手可能です。RTXGI と DLSS はまもなく公開される予定です。詳しい情報は、NVIDIA の開発者リレーション担当チームにお問い合わせいただくか、https://developer.nvidia.com をご参照ください。