――それはある賭けから始まった。
NVIDIAのハードウェア部門のトップ・エンジニアであるブライアン・ケラハー(Brian Kelleher)は、1つのチップで10 TFLOPsを超えるコンピューティング・パフォーマンスを実現してみせると、NVIDIA CEOのジェンスン・フアン(Jen-Hsun Huang)に豪語した。それを聞いたジェンスンは、「そんなの不可能だ」と一笑する。
しかし、ときに「不可能」は「可能」になる。それが今回証明された形だ。そして今、ジェンスンはブライアンに1ドルの借りができた――。
そしてついに新生「NVIDIA TITAN X」が発表されました。NVIDIAの新しいPascal GPUアーキテクチャを基盤とするこの史上最大規模のGPUは、前例のない3,584基のCUDAコアを搭載しています。
NVIDIAはGTX 1080で無謀にも「空前のパフォーマンス」を実現すると宣言していましたが、今回はさらに輪をかけて無謀な挑戦です。
百聞は一見にしかず。実際の数字をご覧ください。
- 11 TFLOPs(FP32)
- 8ビット整数演算性能:44 TOPS(ディープラーニングによる新たな推論命令)
- トランジスタ数:120億
- CUDAコア数:3,584基×1.53 GHz(前モデルのTITAN X:3,072基×1.08 GHz)
- 前モデルより最大60%高速
- ハイパフォーマンス・エンジニアリングにより、最大のオーバークロッキングを実現
- 12 GBのGDDR5Xメモリを内蔵(480 GB/秒)
いくらなんでもやりすぎでしょうか?――それは皆さんの判断におまかせします。ただ、「不可能」なんて言わせません。それとも皆さんも、ブライアンに1ドルの借りをつくりますか?
TITAN Xは、北米・欧州市場で8月2日にnvidia.comおよび特定のシステム・ビルダーから直接1,200ドルで発売され、アジア市場にも近々投入される予定です。
TITAN Xについて詳しくは、「偉大なる先駆者には究極のTITANを――NVIDIA CEOジェンスン・フアン、新生「TITAN X」をBaiduのアンドリュー・ウン氏に贈呈」を参照してください。