私のバーチャル・リアリティの第一印象は、1990年代初め、Dave & Bustersというレストランにあったブースの中でプレイしたDactyl Nightmareにさかのぼります。今どきのゲームに比べると見劣りしたものの、私を含め、同世代の未来のエンジニアやゲーマーはみな魅了されました。
その世代が今や大人となり、VRも成熟しました。
どのトレードショー、製品発表、ニュース・スクープにも、VRの要素が含まれるようになり、NVIDIAでは、それを現実のものにするテクノロジの開拓に寄与しています。
そうした10個の例を以下に紹介します。
1) NVIDIAでは、VRのための最速のGPUを構築。
イマーシブなVRのゲーミングと体験には、2つのプラットフォームがあります。コンソールが提供するエントリー・レベルの体験と、PCが提供するプレミア体験です。Jon Peddie Researchのベテラン業界ウォッチャーであるジョン・ぺディー(Jon Peddie)氏は、見解を次のように述べています。
「VRは、どのエンターテイメント・プラットフォームもそうであるように、多層的な体験となります。コンソールは、カジュアルなユーザーに受けますが、熱狂的ゲーマーには、3~4倍の処理能力を持つPCがプラットフォームとなります。PC市場でNVIDIAは、OculusやHTCのVR体験に必要となる、ゲーマー向けのグラフィックス・ボードにおいて、かなりのマーケット・シェアを持っています」
ビデオ・ゲームと同様、GeForce GTX GPUを搭載したPCは、パフォーマンス、イマージョン、忠実度が強化され、最高にリッチなVR体験を提供します。VR Readyである最もエントリー・レベルのGeForce GTX GPUであっても、コンソールの2倍のパフォーマンスを提供します1。また、イマーシブなVRには、従来の3Dゲームの7倍の処理能力が必要であり、最高の体験を実現するにはそのようなパフォーマンスがまさに必要です2。
2) 広く採用されつつあるNVIDIAのVR SDK - VRWorks
VRWorksは、『Everest VR』を製作したSólfar Studiosといった最先端のVRデベロッパーに採用されています。
NVIDIAでは、VRのための最高のパフォーマンス、最小のレイテンシ、プラグアンドプレイの互換性をヘッドセットやアプリケーションのデベロッパーに提供するため、VRWorks SDKを開発しました。Unity、Unreal Engine、Max Playなど、VRゲームの開発に使われている主要な各ゲーム・エンジンが、NVIDIA VRWorksを現在統合しています。HTCとOculusのヘッドセットでも、VRWorksのサポートが追加されました。また、『Everest VR』のSólfar Studios、『The Lab』のValve Software、『Star Wars Trials on Tatooine』のILMxLAB、『Thunderbird: The Legend Begins』のInnerVision Gamesなど、最先端のVRデベロッパーでも採用されています。
3) NVIDIA GPUはMulti-res Shadingによりパフォーマンスを最大50パーセント向上
NVIDIA Multi-res Shadingは、画像の各部分が、ユーザーが最終的にヘッドセットで見る画像により近い解像度でレンダリングされる、革新的なVRのレンダリング技術です。このテクノロジは、Unreal Engineに組み込まれ、デベロッパーが利用可能であり、パフォーマンスが最大50パーセント向上します。これによりデベロッパーは、作成しているVRのゲームや体験を、より視覚的に質の高いものにすることができます。
4) NVIDIAのGame Readyドライバーでは、VRゲームは初日から「プレイできる」
どんなソリューションも、その実力はGPUのドライバーによって決まります。NVIDIAのGame Readyドライバーは、業界でも最高性能とみなされています。NVIDIAは、ゲームが発売日に十分なパフォーマンスを発揮できるよう、デベロッパーと密に連携をとっています。これはVRにおいては、きわめて重要なことです。なぜなら、少しでもがたつきがあったりパフォーマンスの低下があれば、体験が台無しになるおそれがあるからです。発売日にドライバーを提供できるかどうかは、VRゲームやアプリケーションにとって大きな差となります。
5) パートナー数が100社以上に上るGeForce GTX VR Readyプログラム
NVIDIAのGeForce GTX VR Readyプログラムは、VRに適した機器を消費者が入手しやすくします。VRのような新たなテクノロジにおいて、特徴を細かく把握するのは大変なため、NVIDIAでは、世界各地のパートナーと協力して、購入プロセスを簡単にしました。GeForce GTX VR Readyのバッジを見れば、PCやグラフィックス・カードがVRの要件に対応可能かどうかすぐに分かります。このプログラムには現在、世界中の100社以上のPCメーカー、システム・ビルダー、アドイン・カード・パートナー、小売店などが含まれています。
6) NVIDIAを搭載するVR Readyなノートブック
NVIDIA GeForce GTX 980 GPUを搭載するノートブックは、世界で唯一VR Readyであるノートブックです。これらの強力なNVIDIAノートブックGPUにより、デベロッパーやゲーマーは、イマーシブなVRを外出先でも体験できます。
7) Oculus ReadyPCを動かすNVIDIA GPU
VR Readyプログラムを提供するのはNVIDIAだけではありません。RiftヘッドセットのメーカーであるOculusも、独自のプログラムを持っています。そして、Oculus Ready PCはこれまですべて、NVIDIA GeForce GTX GPUがそのエンジンとなっていました。
8) イマーシブVRを利用可能なものにするNVIDIA
VRは、ほとんどのゲーマーにとって手の届かないような性能を必要とする、と誤解されています。実際には、GeForce GTX 970 GPUは、Steam調査で最も人気の高いグラフィックス・カードとなっており、すでに数百万人が自分のマシンに搭載しています。つまり、今日では、より多くの消費者がイマーシブVRを楽しめる状態になっていると言えます。
9) NVIDIAは、モバイルVRのパフォーマンスを向上
NVIDIAは、モバイル・ベースのVR体験の技術水準を向上させようと、絶えず努めています。NVIDIA Tegraプロセッサは、GameFace LabsやAtheerのヘッドセットなど、いくつかのモバイルVR/ARデバイスに搭載されています。Tegraのパフォーマンスにより、デベロッパーは新たな水準のモバイルVR/AR体験に取り組むことができます。
10) VRの360°ビデオを加速するNVIDIA
NVIDIA GPUは、VRで使われる360°ビデオの核となっています。NVIDIAのCUDAプログラミング・モデルは、複数のカメラからの映像を単一の360°パノラマへと素早くつなぎ合わせるのに使われています。4月に行われるNVIDIAのGPUテクノロジ・カンファレンスでは、Jaunt VRやVideoStitchといった、GPUアクセラレーションを使用する360°ビデオ会社のプレゼンテーションなど、VRに関するさまざまな講演に参加できます。
GDCで直に体験
NVIDIAは多くのデベロッパーと協力して、HTC ViveとOculus Riftのヘッドセットのブース(南ホール#824)で、驚くべきVR体験を紹介しました。内容は以下のとおりです。
- NVIDIA Multi-res ShadingテクノロジやGameWorksの乱流効果などを取り入れた、Sólfar Studios製作『Everest VR』の新たな章
- VR SLIテクノロジを使用した、2基のGeForce GTX TITAN X GPUによる、ILMxLAB製作『Star Wars Trials on Tatooine』のVR体験
- Epic製作『Bullet Train』、Oculus Studio製作『VR Sports』、CCP製作『EVE: Valkyrie』
NVIDIAのブース以外にも、GDCの参加者は、GeForce GTX GPUを利用した次のような最先端のVR体験を、あちらこちらで展示していました。
会社名 | 場所 |
Epic | モスコーン南ホール1024 |
Oculus | モスコーン南ホール802 |
Valve | ボールルーム104 |
GDC VR Lounge | モスコーン西3階 |
VRは、ゲーミング、エンターテイメント、プロフェッショナルのユース・ケースのための、新しい刺激的な媒体です。上質なVR体験は、PCのパフォーマンスにかかっています。NVIDIAは、PCグラフィックスの世界的リーダーとして、大きなインストール・ベースと最高のパフォーマンスの双方をデベロッパーに提供するVRグラフィックス・プラットフォームの提供に努めています。
皆さまがこれで何を作るのか、当社は楽しみにしています。
1 Playstation 4が1.8テラフロップスであるのに対し、GeForce GTX 970は3.5テラフロップスを実現、2倍のパフォーマンスを提供。
2 PCゲームを1920 x 1080、30fpsで単一のスクリーン上で実行する場合と、VRヘッドセットを1680 x 1512、90fpsで2つのスクリーン上でそれぞれ稼働する場合とを比較。