Volvo Cars が NVIDIA との提携を強化し、NVIDIA DRIVE Orin を採用

by Danny Shapiro · April 15, 2021

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ソフトウェアデファインドの自動運転機能を次世代車両に実装

Volvo Cars が長きにわたる安全重視の伝統を未来へと引き継ごうとしています。

GTC 基調講演において、世界的な自動車メーカーである Volvo Cars は、自社の次世代自動車の自律走行コンピューターに NVIDIA DRIVE Orin を採用すると発表しました。ソフトウェアデファインドの車両のラインアップを拡大するという両社の取り組みはさらに深まり、その第 1 弾として次世代の XC90 が来年デビューする予定となっています。

Volvo Cars は、2016 年より NVIDIA DRIVE の高性能で、エネルギー効率に優れた演算能力を活用し、自社開発のソフトウェアおよび同社の自律走行用ソフトウェア開発会社である Zenseact が開発したソフトウェア、そして NVIDIA DRIVE Xavier を実装した新モデルで採用する AI 支援型運転機能を開発してきました。

安全な自動運転車両の開発は、現在における最も困難な課題の 1 つとなっています。車両の周囲に搭載された先進のセンサーからは膨大な量のデータが生成され、それらを 1 秒もしないうちに処理しなければならないからです。その課題に対処するために、NVIDIA は、業界最先端で、安全と安心を実現する機能を備えた、ソフトウェアデファインドの自律走行車用コンピューティングプラットフォームを開発しました。

Orin は Xavier とソフトウェア互換性があるので、既存の開発投資を活用することが可能です。また、拡張性も備えており、多様な構成に対応できるほか、監督者のいない無人運転も可能になります。

Volvo Cars の次世代車両アーキテクチャは、生産開始時より自律走行にハードウェアとして対応できます。この監督者のいない自律走行の機能は Highway Pilot と呼ばれ、個々の地理的な位置や条件が安全であると確認されたときに有効になります。

困難な状況に対応するための冗長性と多様性

NVIDIA DRIVE プラットフォームは、最高レベルの安全を確保するための冗長性と多様性を備えたアーキテクチャとなっています。

前世代のプラットフォームと同じように、NVIDIA Orin (以下の写真) は最高の演算性能によって、安全なアーキテクチャを維持しています。Orin のシステムオンチップ (SoC) は、最大 254 TOPS という処理性能を備えており、ISO 26262 ASIL-D のような体系的な安全基準を満たしながら、自律走行車やロボットで多くのアプリケーションとディープニューラルネットワークを同時に実行できるように設計されています。

Orin の演算性能に、Volvoが自社内およびZenseactと開発したソフトウェア、ならびに LiDAR およびレーダーといった最先端のセンサーを組み合わせることにより、Volvo Cars の新たな世代のインテリジェントカーには、安全で堅牢な AI 機能が装備されるようになります。

継続的な改良

次世代の車両は、最先端の車載データセンターとなるでしょう。これらの車両はプログラマブルで、OTAでソフトウェアのアップデートを受信するようになります。

このようなソフトウェアデファインドの機能は、その車両の一生を通じて運転者と同乗者を喜ばせる、新しいスキルと機能をもたらします。

車両の演算処理を NVIDIA DRIVE Orin に集約化させることにより、Volvo Cars の次世代車両は、より安全で、よりパーソナルで、より持続可能になり、日々より良く、よりスマートになります。これらの車両は、自律走行モードでないときであっても、人間の運転者よりも早く危機を予知し、それに対応することで、乗員の安全を高めることができます。

アーキテクチャ的に一貫性があり、プログラマブルな Volvo Cars の車両は、安全と品質の伝統をはるか未来に引き継ぎ、今後登場する車両はその一生を通じてソフトウェアをアップグレードすることでインストールベースを育み、拡大させてゆくでしょう。

注:

Volvo Cars は、NVIDIA との提携をさらに深め、自動運転の Volvo 車では、業界をリードする Orin システムオンチップ (SoC) が活用されます。
Volvo Cars は、自社の次世代車両に Orin を搭載して量産する、最初の世界的自動車メーカーとなります。
NVIDIA の Orin は、Volvo および Zenseact の自律走行ソフトウェア、主要機能のバックアップシステム、および LiDAR を含む最先端のセンサーとともに、安全で、継続的にアップデートされる監督者なしの自律走行を実現するための重要な要素となるでしょう。
Orin を搭載した自律走行用コンピューターは、NVIDIA の Xavier テクノロジをベースにした、Volvo の次世代車両を中央制御するコンピューターと連動します。
Volvo Cars は、次世代車両の演算を中央制御することにより、車をより安全で、よりパーソナルで、より持続可能にし、さらにその車を毎日改良することが可能になります。
Volvo Cars は、自律走行テクノロジの開発により、車が自律走行モードではないときも安全性を向上できるようになると考えています。