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フロリダ大学と NVIDIA、アカデミアで最速の AI スーパーコンピューターを開発へ

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フロリダ大学のカリキュラムに AI を組み入れ、州の幅広い課題の解決を支援

フロリダ大学と NVIDIA は今月、アカデミアで世界最速の AI スーパーコンピューターを開発する計画を発表しました。700 ペタフロップスの AI パフォーマンスの達成を目指します。

この活動は 5,000 万ドルの寄付金によって進められますが、その内訳は、同大学の OB であり NVIDIA の共同創業者であるクリス マラコウスキー (Chris Malachowsky) から 2,500 万ドル、NVIDIA からハードウェア、ソフトウェア、トレーニング、およびサービスに対し 2,500 万ドルとなっています。

「我々が構築したのは、世の中に利益をもたらすための、再現性の高い、強力な官民協力モデルです」と、NVIDIA フェローであるマラコウスキーは、フロリダ大学と NVIDIA 双方のリーダーが会したオンライン イベントで語りました。

フロリダ大学はさらに 2,000 万ドルを投じて、AI を中心とするスーパーコンピューティングおよびデータ センターの設置を目指す予定です。

この 7,000 万ドル規模の官民パートナーシップに伴い、フロリダ大学が AI 研究における国内有数の大学となって学術研究を発展させ、フロリダ州が抱えるもっとも複雑な課題のいくつかの解決に寄与することが期待されています。

「これはとてつもないパートナーシップになるでしょう」と、フロリダ州のロン デサンティス (Ron DeSantis) 知事は述べています。「州内に最高の人材を確保することができれば、それが大きなインセンティブとなって全国から人材がフロリダ州を目指す姿も見られるはずです。」

NVIDIA との緊密な連携のもと、フロリダ大学は独自に開発したスーパーコンピューター「HiPerGator」の機能を、最近発表された NVIDIA DGX SuperPOD アーキテクチャを採用することで強化しようとしています。このシステムは納品からわずか数週間後の 2021 年初頭にも稼働が開始される予定です。

これにより、フロリダ大学内外の教員および学生に、海面の上昇や高齢化、データ セキュリティやオーダーメイド医療、都市交通に食料不安といった大きな課題の解決に向けて、さまざまな分野に AI を活用するためのツールが提供されます。フロリダ大学では、2030 年までに AI に対応できる学生を 3 万人輩出したいとしています。

1993 年にマラコウスキーとカーティス プリエム (Curtis Priem) とともに NVIDIA を立ち上げた、NVIDIA CEO のジェンスン フアン (Jensen Huang) は次のように述べています。「今回のフロリダ大学、フロリダ州、および NVIDIA によるパートナーシップは、クリスからの多額の寄付によって実現したものですが、その価値は金銭を超えたところにあります。フロリダ大学を AI の国家的リーダーにすることを目指す共同研究に NVIDIA の専門知識が貢献し、州の課題にとどまらず国家の課題解決の一翼を担うことができ大変光栄です。」

US ニューズ & ワールド レポート誌で公立大学の第 7 位にランクされ、トップ 5 に食い込むことを目標とするフロリダ大学では非常に幅広い学科を提供していると、マラコウスキーは言います。

また、この地域が「社会の大きな課題をいくつも抱えている、生きた研究所」だと評し、今回の取り組みがそれらの解決に貢献することに期待を寄せています。

地域ならびに国家の AI を牽引する

この取り組みは、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) に関する研究基盤を強固にするための支援でもあります。この分野はスーパーコンピューターが主要な役割を果たすと見られています。

「我々のビジョンは全国初の AI 大学となることです」と、フロリダ大学のケント フックス (Kent Fuchs) 学長は述べ、「マラコウスキー氏と NVIDIA CEO のジェンスン フアン氏には改めて深い感謝を申し上げます」とコメントしています。

州および地域のリーダーは、フロリダ大学が数々の地域的および国家的課題に関して持てる能力を発揮することに早くも期待を寄せています。

そうした課題には、たとえば気候変動が叫ばれる中での農業支援や、高齢化に伴う一連のニーズへの対応、1,300 マイルを超える海岸線を有する同州での海面上昇による影響の管理といったものが挙げられます。

また、取り残されるコミュニティが出ないようにするため、フロリダ大学ではこれらのコンピューティング能力への幅広いアクセスの提供を推進する活動も計画しています。

その一環として以下のような活動が予定されています。

  • 大学内の教職員をまとめ、バイアスや非倫理的行為、法的・道徳的問題を認識するためのツールやソリューションの開発を目標として基準や認定の仕組みづくりを行う、フロリダ大学独自の「Equitable AI」(公平な AI) プログラムの立ち上げ。
  • 業界団体や他の学術団体との連携。たとえば、Inclusive Engineering Consortium の学生がメンバーと協力してフロリダ大学大学院課程に対する調査と学生募集を行います。

多様な AI イニシアチブ

マラコウスキーは、NVIDIA がビジュアル コンピューティングと並列コンピューティングにおける一介のスタートアップからグローバル リーダーへと成長する過程で数々の指導的役割を果たしてきました。集積回路の設計と手法における第一人者である彼は、これまでに 40 件近くの特許を生み出しています。

フロリダ大学の BSEE (電気工学学士号) を有する以外にも、サンタクララ大学の MSCS (コンピューター サイエンス修士号) を取得。両大学の著名な卒業生として名前が挙げられるほか、昨年にはフロリダ州の発明家の殿堂 (Florida Inventors Hall of Fame) 入りを果たしました。

フロリダ大学は NVIDIA DGX A100 システムを手にする全米初の高等教育機関です。NVIDIA DGX SuperPOD のモジュール式アーキテクチャに基づくこれらのシステムによって、大規模 AI インフラストラクチャの迅速な展開と拡張が可能になります。

フロリダ大学の HiPerGator 3 スーパーコンピューターには、NVIDIA A100 Tensor コア GPU を 1,120 基搭載した 140 台の NVIDIA DGX A100 システムが組み込まれる予定です。それには、4 ペタバイトの高性能ストレージが含まれます。NVIDIA Mellanox HDR 200Gb/s InfiniBand ネットワークが高スループットときわめて低いレイテンシのネットワーク接続を実現します。

DGX A100 システムは、これらの機能の大半が 1 つのソフトウェア デファインド プラットフォームとして提供されるよう設計されています。米国の国立大学上位 10 校のうち、既に NVIDIA DGX システムを使用している大学は 8 校に上ります。

そのプラットフォームには、一連の世界最先端 AI アプリケーション フレームワークが採用されており、データ分析、AI のトレーニングと推論の加速、およびレコメンデーション システムをカバーするソフトウェア スイートとなっています。そのマルチモーダル機能によって、我々を取り巻く世界のサウンド、ビジョン、音声、文脈に関する理解が結び付けられます。

ヘルスケア、輸送、科学、インタラクティブ アプライアンス、インターネットなどの領域では、これらのツールを組み合わせて使用することで既に大きな効果をあげています。

マシンだけにとどまらない

しかし今回の発表は、1 つの (他に類のないものであれ) マシンにとどまる話ではありません。

NVIDIA は、以下のようなイニシアチブでの継続的なサポートと協力を通じて、AI に関する独自の専門知識でもフロリダ大学に貢献します。

  • NVIDIA Deep Learning Institute がフロリダ大学と協力して、学生だけでなくコミュニティも対象とする新しいカリキュラムやコースワークの開発を進めます。これには、若年成人や十代のニーズに応えて調整されたプログラミングも含まれ、これらの層の STEM (科学、技術、工学、数学) や AI への関心を高め、将来的な教育および雇用の機会により確実に準備できるようにします。
  • フロリダ大学が最新の NVIDIA AI テクノロジ センターの拠点となり、同大学の大学院生と NVIDIA の社員が共同で AI の発展に取り組みます。
  • NVIDIA のソリューション アーキテクトと製品エンジニアが、大学構内における NVIDIA ベースのスーパーコンピューティング リソースの導入、運用、最適化でフロリダ大学と連携します。これには、最新の AI ソフトウェア アプリケーションも含まれます。

フロリダ大学は、独自の新しいマシンに対し全面的な投資も行う予定で、データ センターのアップグレードに対する投資額は 2,000 万ドルを優に超える見込みです。

データ サイエンスに関するあらゆる活動やプログラム、そしてフロリダ大学の最新スーパーコンピューターはすべて、今後さらに広がる同大学の AI に関する野望を支えるものとなるでしょう。

この取り組みをサポートするため、フロリダ大学は AI と関連分野の教員職を新たに 100 名増員して、国内最高峰の AI 大学を目指すことを公約しました。

これは、最近採用された全学科総勢 500 名の教職員とは別で、そのうちの多くは AI を講義や研究に組み込む作業にあたることになっています。

「この一連の流れに大変胸を躍らせています」とマラコウスキーは話します。「この取り組みは、他の州に地域のリソースと連携して同様の投資を行い、AI の恩恵を住民に提供すると同時に、国家の競争力、能力、および専門知識を引き上げる方法を示す青写真となるはずです。」

幅広い支持を獲得

今回の発表には、同州ならびに国内の立法者、政策立案者、高等教育におけるリーダーから幅広い支持を得ました。

米国下院議員であるジェイ マックナーニ (Jay McNerney) 氏 (カリフォルニア州の民主党員) とピート オルソン (Pete Olson) 氏 (テキサス州の共和党員であり、Congressional AI Caucus の共同議長) は発表した声明の中で、「このプログラムの遂行は、幼稚園から高等学校、州立学校から地元の学校、HBCU (歴史的黒人大学) や HSI (ヒスパニック系学生のための大学) に至るまで、州および国内のさまざまな教育機関に在籍する学生が、AI 中心の未来から取り残されることがないということを意味するだろう」と述べています。

Center for Data Innovation の政策アナリストであるホダン オマール (Hodan Omaar) 氏は、以下のように述べています。「NVIDIA とのパートナーシップによって、フロリダ大学はこの最先端のテクノロジを活用して、次世代の研究者、技術者、およびリーダーに対する教育訓練を強化するために役立てることが可能になるでしょう。このパートナーシップは、大学、業界、行政が公共の利益のためにそれぞれの持てる力を集結する上で模範となることが期待され、実際にそうなるはずです。」

また、米国下院議員であり下院外交委員会の有力委員でもあるマイケル マコール (Michael McCaul) 氏は、「コンピューティング能力は人工知能の核となるものであり、学界で最速の AI スーパーコンピューターに対する今回の投資によって、米国は間違いなく研究開発の最先端を走り続けるでしょう」とし、「このシステムは全米国人に利益をもたらす AI 経済を構築する上で模範となるものです」と述べています。


Brian Caulfield

Brian Caulfield edits NVIDIA's corporate blog. Previously, he was a journalist with Forbes, Red Herring, and Business 2.0. He has also written for Wired magazine.

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