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モンスターが動く:トップの視覚効果スタジオは映画とテレビ番組の制作をどのようにリモート対応しているか

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Cinesite、Framestore、MPC、Technicolor が最新のテクノロジで社内アーティストのためにリモート ワークを実現。

リモート ワーク環境に適応しつつある世界の企業には、視覚効果 (VFX) スタジオ各社も含まれます。

これらの企業は一般に、HP や Dell などのパートナー製の NVIDIA Quadro を搭載した高性能グラフィックス ワークステーションを使って、3D モデリング、アニメーション、ライティング、シミュレーション、バーチャル プロダクション、コンポジット、レンダリングのような作業をしています。

しかし、これらのワークステーションがスタジオのデスクの下にあったり、データ センターに保管されていたりする場合、どうなるでしょうか? Cinesite、Framestore、MPC、Technicolor の 4 社の視覚効果スタジオは、リモート ワークフローを実現して、社内のアーティストが在宅勤務でも生産性を維持できるようにしています。

制作を進め続けるために必要なパワー、性能、セキュリティを、各社がどのようにクリエイターに提供しているかをご紹介します。

Cinesite

受賞歴に輝くデジタル エンターテインメント スタジオである Cinesite は、バンクーバー、モントリオール、ロンドン、ミュンヘン、ベルリンにオフィスを構え、『ブラック・ウィドウ』 (Black Widow)、『アダムス・ファミリー』 (The Addams Family)、『ロケットマン』 (Rocketman)、『ウィッチャー』 (The Witcher) などの映画やテレビ番組向けに視覚効果や長編アニメーションを制作しています。

ヨーロッパで新型コロナウイルスの症例が広がり始めたとき、Cinesite のチームは迅速に、従業員の安全を確保するとともに高い生産性を維持する方法を検討しました。

Cinesite の CTO であるミシェル シオレット (Michele Sciolette) 氏は次のように述べています。「当時、当スタジオでは誰も在宅勤務をしていませんでした。私たちは早急に、スタジオにあるのと同じ機能とグラフィックス性能を持つシステム一式を在宅のチームに提供し、同時に高いレベルのセキュリティを保つ方法を探す必要がありました」

Cinesite のロンドン オフィスは、従業員が在宅でリモート ワークをしているため一時的に閉鎖されています。

システムの準備と導入には数週間しかなく、新しい技術を検討する時間はありませんでした。Cinesite の求めるソリューションは、ただセキュリティを提供し、チームがすべての日常業務を効果的に行えるようにするだけでなく、費用対効果が高く、在宅勤務者のサポートの量を最小限に抑える必要がありました。

すぐに決まったのは、スタジオにあるワークステーションへのリモート アクセスを提供することでした。これにより、いかなるファイルも Cinesite のセキュアなネットワークを離れることがなくなりました。つまり、制作のすべてワークフローを、リモート クライアントからオフィスにあるアーティストのワークステーションにアクセス可能になったのです。

最終的な導入方法はスタジオごとに多少異なりますが、ほとんどの場合、HP Remote Graphics Software (RGS) が選ばれました (先日 HP ZCentral Remote Boost という名前に変わりました)。このシステムは素晴らしい成果をもたらし、Cinesite は素早くスケール アップを行って、従業員が必要なワークステーションのパワーにアクセスできるようにしました。TeradiciNoMachine のソリューションも、効果的に使われています。

Cinesite はさらに、リモート アクセスに対応するため、セキュアでスケーラブルな VPN インフラストラクチャも構築しました。このシステムを迅速に導入する必要があったため、Cinesite は一部の従業員に対し、特定の要件を満たす場合には、個人のコンピューターをリモート アクセス ポイントとして使うことを許可しました。

3 週間足らずで Cinesite は新しいシステムを展開し、全スタジオでおよそ 1,100 人が在宅勤務できるようになりました。

MPC と Technicolor

アカデミー賞受賞スタジオ MPC は、『1917 命をかけた伝令』 (1917)、『ライオン・キング』 (The Lion King)、『ジャングル・ブック』 (The Jungle Book)、『アド・アストラ』 (Ad Astra)、『ゴジラ VS コング』 (Godzilla vs Kong) などの映画の制作に最先端のテクノロジを使用しています。世界中で業務が行われているため、MPC と親会社の Technicolor は、すべての部門で一貫したシステムの展開を実現したいと考えていました。

Technicolor で映画およびエピソード VFX 担当 CTO を務めるセバスチャン シルワン (Sebastian Sylwan) 氏は次のように述べています。「今回は、問題解決のために大規模な設備投資を提案するようなときではありませんでした。当社のアーティストと顧客の両方のニーズを満たすために、私たちはきわめて迅速に対応しなければなりませんでした」

偶然にもその頃、Technicolor はすでに自社のセキュアな VPN インフラストラクチャを更新したため、より多くのユーザーに迅速に対応できるようになっていました。また MPC にも、Teradici の PCoIP と Leostream を使用したオンプレミスの堅牢なリモート ワークステーション インフラストラクチャがありました。

一時的なオフィス閉鎖中も、MPC Film のリモート制作は続きます。

利用可能な選択肢を検討した結果、Teradici の Cloud Access Connector をブローカリング サービスとした構成を採用することになりました。機器を配布するロジスティクスが実行され、施設がロックダウンに入る直前に完了しました。

Technicolor のグローバル システム アーキテクトであるマーティン ウィーバー (Martin Weaver) 氏は次のように述べています。「当社のデータ センターにある何ラックものワークステーションは、すでに Teradici とゼロ クライアントを使ってアーティストのデスクとつながっていました。当社の HP ワークステーションすべてに無料の RGS ライセンスがついていたため、この全インフラストラクチャのリモート対応は驚くほど迅速に行えました」

その後の数週間は、4K でのレビューや最終的な品質管理、グループ レビューのための特殊なソリューションなど、最も難しいワークフローを実現するための設定の微調整に、多大な努力が費やされました。

MPC は他の特殊なケースにも迅速に対応しました。たとえば、小さなバーチャル プロダクション チームが撮影の継続にバーチャル カメラの使用を必要としており、そのショットを中央のリポジトリに保存されているシーンと同期させなければならないというケースなどです。

これらのワークフローをリモートで実現するために、新しいサーバー構成が構築され、このチームにはインターネットから分離され完全に暗号化された VPN 接続で構成されたワークステーションが提供されました。同時に、各制作チームは、提案されたソリューションを検証するためスタジオおよびクライアントと常に連絡をとっていました。そのため、承認が得られると展開は非常に早く行われました。

Technicolor では、すべての部門が参加するタスク フォースで短期間に協力して取り組んだ結果、3,400 人を超える従業員が安全にリモートからアクセスできるようになりました。

Framestore

英国アカデミー賞およびアカデミー賞の受賞歴に輝くクリエイティブ スタジオの Framestore は、世界中に 3,000 人のチームを有し、『アベンジャーズ/エンドゲーム』 (Avengers: Endgame)、『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』 (No Time to Die)、『ブレードランナー 2049』 (Blade Runner 2049) など最新の映画やテレビ番組のプロジェクトを手掛けてきました。Framestore はまた、Geico、Jaguar、HBO、Lionsgate Entertainment World、Samsung、Disneyland Resort などの国際的なブランドや顧客との広告や没入体験にも取り組んでいます。

他のスタジオと同様に、Framestore も、社内アーティストの在宅勤務を支援できるようなソリューションを構築し展開する時間はほとんどありませんでした。広告の方では、チームは以前から Teradici を Leostream ブローカリング サービスで利用して、NVIDIA 製品を搭載した Dell Precision ワークステーションにリモートでアクセスしていました。そのため、リモート ワークを準備、開始するには、従業員は自分の Teradici ハードウェアを受け取って帰宅するだけで済みました。

しかし映画の方では、Framestore はまずクライアントや他のスタジオに連絡をとってセキュリティ ガイドラインの承認を受け、合意を得る必要がありました。その後、Framestore は VPN サーバーの再構築に取りかかり、証明書を更新し、すべての認証情報を再設定して、新たな基盤で始められるようにしました。

アーティストが在宅勤務を始めてからも、制作は速いペースを維持していました。

セキュリティを強化し、従業員の在宅勤務への移行を円滑に進めるため、Framestore はルーターやゼロ クライアントを事前構成して、家で簡単に接続できるようにしました。これにより、ハードウェアベースの VPN が構築され、アーティストにとって接続が容易になり、ネットワークの信頼性や暗号化の効率性が向上し、Framestore のネットワーク チームにとってはより高いレベルの監視が可能になりました。

Framestore の VFX 担当 CTO であるスティーブ マクファーソン (Steve MacPherson) 氏は次のように述べています。「一番の懸念はセキュリティだったため、まずそれに取り組みました。当社のアーティストはきわめて高度なグラフィックス ワークステーションをオフィスで使用しているため、私たちはこの高い期待に応え、アーティストの効率性を保てるようにする必要がありました」

Framestore はさらに、各ユーザーにローカル クライアント ルーターを展開してブロードバンド接続全体のパフォーマンスを監視し、実質的に Framestore の社内ネットワークのエッジをユーザーの自宅にまで拡張しました。これによって、チームは問題のトラブルシューティングと診断を実行して帯域幅のしきい値を決定し、さらにネットワークのパフォーマンスを調整して、従業員のリモート ワーク体験をより強化することができました。

HP や Dell などのパートナーから提供されている Quadro 仮想データセンター ワークステーションや Quadro 搭載のワークステーションなどの NVIDIA ソリューションが、プロフェッショナルの最高のリモート ワークをどのように支えているかについて、詳細をご覧ください。

視覚効果企業の在宅勤務用ベスト プラクティスおよびガイダンスについては、セバスチャン シルワン氏やミシェル シオレット氏も執筆に参加している VES (視覚効果協会) 技術委員会のドキュメントでさらに詳細をご覧いただけます。

メイン画像提供: MPC © 2019 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.


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