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Seagate、ハード ドライブ製造の改善に向け RX を提供

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Seagate Edge RX プラットフォームが NVIDIA EGX を利用して製造現場での AI 推論を可能に

Seagate Technology は、四半期ごとに何千万台ものハードディスク ドライブを出荷しています。1 台 1 台の品質を確保することを最優先事項としていますが、簡単なことではありません。

ディスク ドライブの製造プロセスは非常に複雑です。たとえば、ドライブ ヘッドを製造するだけでも 1,400の工程を踏む必要があります。わずかなミスでさえも製品の欠陥につながりかねません。

「ミスの代償は大きいです」と、他のどのメーカーよりも多くのディスク ドライブを生産する Seagate のグローバル マーケティング担当シニア ディレクターであるラガバン スリニバサン (Raghavan Srinivasan) 氏は言います。「何らかの異常があると、結果的に歩留まりが悪くなり、長い工程が終わるまでそれに気が付かないのです」

この問題を解決するために、Seagate は GPU によって高速化された AI と機械学習を利用して、記録ヘッド スライダーの画像を用いた異常検出を行い、潜在的な問題をより早く発見できるようにしています。

パートナーシップから生まれたソリューション

Seagate は当初、生産量の多い製造環境での画像ベースの異常検出に役立つ製品を探しましたが、市販のものは見つかりませんでした。そこで、このビジネス問題について NVIDIA と Hewlett Packard Enterprise に話を持ちかけます。

両社が最初に行ったことは、実際のデータ量を把握することでした。そのアイデアを 1 つの工場で実現するには、1 日に 1,700 万枚の画像を処理し、1 秒あたり 20 か所で推論を実行できる必要があります。

「それは (ボーイング) 747 型機が地上から数インチの高さを音速の 100 倍の速度で飛ぶようなものです」と、スリニバサン氏は説明します。

3 社は 1 年かけて、回転ディスクの表面からわずか数分子の位置にあるドライブ ヘッドの画像を取得して分析できるソリューションを開発しました。

自社の工場拠点の 1 つでハード ディスクのリード/ライト ヘッドの製造に使用されるマシン ビジョン欠陥検査システムにそのソリューションを導入し、他の拠点にもソリューションを拡張することを計画しています。

問題となる異常パターンが絶えず変化していたことから、ルールベースの AI は選択肢には入っておらず、ディープラーニングによるアプローチが必要でした。

さらに、工場との間で膨大なデータを送受信するための帯域幅を確保するにはかなりのコストがかかることを知っていた Seagate は、並列リファレンス アーキテクチャの「Seagate Edge RX」を開発しました。このアーキテクチャは、各工場をコンピューティング “エッジ” として確立することで、より軽量のコンピューティング リソースを使って製造現場で推論プロセスを実行できるようにするものです。

オフラインで行われるディープラーニング モデルの継続的なトレーニングは、データ サイエンティストによって実行され、更新されたモデルが提供されます。

結果がもたらすさまざまな可能性

このテクノロジを自社のすべての製造プロセスに取り入れることにした Seagate は、効率と品質が向上することで、クリーンルームへの投資が最大 20% 削減されるほか、製造スループットタイムの 10% 短縮や最大 300% の投資利益率を見込んでいます。

スリニバサン氏は、このプロジェクトが最終的に大幅な品質の向上につながり、Seagate のすべての製造工場にこの取り組みを拡大するための大きな原動力となることが大いに期待できると言います。

Seagate は、NVIDIA と HPE のテクノロジがなければ成し遂げられなかったことだと考えています。それには、製造現場でのデータ収集とリアルタイムの AI 推論用の NVIDIA T4 GPU を搭載した耐久性の高い HPE Edgeline システムや、AI トレーニング用の NVIDIA V100 Tensor コア GPU を搭載した HPE Apollo システムなどのテクノロジが含まれます。NVIDIA EGX プラットフォームがこれらのシステム上で実行されているため、企業はエッジやデータ センターで AI ワークロードをセキュアに展開して管理することができます。

「NVIDIA は AI やディープラーニングの代名詞となっており、それを支えるプロセスを提供することができます」と、スリニバサン氏は述べています。

Seagate は、この成果をさまざまな方向に活かせる可能性が高いと考えています。現在同社が重点的に取り組んでいるのは、自社のすべての製造拠点へのスマート マニュファクチャリング プラットフォームのロールアウトです。また、このソリューションによって他の製造プロセスにどのような効果が期待できるかについても検討する予定です。いずれは IoT センサーを利用したログ記録に基づくプロセス ツールの予測メンテナンスも調査したいとしています。

他社にとっての朗報は、Seagate がこのイノベーションを社内だけで独占する気がないということです。Seagate は、他社がそれぞれの製造環境で同様の画像異常検出ソリューションの開発をすぐに開始できるように、Seagate Edge RX 並列リファレンス アーキテクチャを公開しました

「ぜひこの話を前に進めたい。データを活用すれば、製造全体を向上させることができるもっと多くのチャンスが得られると考えています」とスリニバサン氏は述べています。

Seagate が NVIDIA と行った取り組みの詳細については、GTC オンデマンド講演「AI on EGX: Innovations and Lessons Learned from a Production Deployment Across Global Manufacturing Sites」をご覧ください。現在、GTC Digital に無料でご登録いただけます。


Tony Kontzer

Tony has been writing about technology and business since a stint at the San Jose Business Journal in the mid-1990s. He began his freelance career in 1996 and over the years has written features, news reports and blog posts for publications such as CIO Insight, Baseline, Investor's Business Daily and Wired Magazine. He has also written white papers, case studies, Web site content, and marketing collateral pieces for companies such as Oracle, Hewlett-Packard, VMware, Computer Associates, Genesys Telecommunications Laboratories and Oxford Economics. From 2000-2006, he was a senior editor at InformationWeek, where he covered technologies such as CRM and storage, as well as IT in the travel and hospitality industry. A 1988 graduate of the University of Missouri-Columbia School of Journalism, Tony spends his spare time scheming about the future with his wife, playing with his three sons, tinkering around his home in Albany, Calif., and, when time allows, playing saxophone and traveling. His somewhat irregular Twitter posts can be found at http://twitter.com/tkontzer.

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