2019年6月27日、都内の会場で「KDDI 5G SUMMIT 2019」が開催されました。KDDIの代表取締役社長 髙橋誠氏による「Tomorrow, Together~5G時代の共創と変革のVision~」と題した基調講演に、NVIDIA 日本代表 兼 米国本社副社長の大崎真孝が登壇。5GとAIの未来について語りました。
5GはAIの「リカーリングモデル」で価値が深化する
髙橋氏は5G時代ではあらゆるものがつながり、AIエージェントが生活を彩る時代であると定義。そこでは「リカーリング」(循環)型のビジネスモデルが加速すると語ります。「お客様の状態や行動、感情がデータとしてリカーリングモデルの中で循環し、新しい価値提案によりエンゲージメントが深化していく」と髙橋氏。
これを受けて大崎は、5G時代ではAIシステムにヘルスケアや製造、交通、リテールなどあらゆる産業がディープラーニングのループに接続されていくと語るとともに、5Gの通信技術が各産業を結合するための大きな役割を果たすと強調。学習から検証、デプロイ、再学習と繰り返されるディープラーニングにおいては、このリンクこそがリカーリングモデルであり、「5GがAIの技術を加速させ、社会を豊かにしていく」と語りました。
また大崎は、NVIDIAのGPUが、KDDIが設置する5G、IoT時代のビジネス開発拠点である「KDDI DIGITAL GATE」へ納入されることを発表しました。 「たくさんのスタートアップの人々がKDDI DIGITAL GATEでアプリを開発している。そこにNVIDIAのGPUを導入することで、AIと5Gを融合させる。そして多くのアプリケーションを開発することを支援します」と大崎は述べました。
KDDI DIGITAL GATEは東京・虎ノ門にあり、赤坂にあるNVIDIA日本支社とは距離も近いため、エンジニアを派遣することも容易です。大崎は最後に「KDDI DIGITAL GATEへのNVIDIA GPU導入は協業の第一歩。これからは5G、AIを核としたさまざまな協業を通じて、NVIDIAからも新たなテクノロジを日本に発信していきたい」と述べました。
KDDI DIGITAL GATEは昨年9月にオープンした、デジタルトランスフォーメーションを支援する、5G、IoT時代のビジネス開発拠点です。5G、セルラーLPWA(LTE-M)といった最新の通信規格を使った検証設備が設置されていることに加え、各種センシングデバイスや、画像認識技術、XR、AIなど、最先端のテクノロジによって実現される様々なソリューションを体感できるツールが備えられており、さまざまな企業と新たなビジネスを共創することを目的としています。