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GPU ベースの AI で不整脈の核心に迫る

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人工知能が人の命を救う存在へと急速に進化しています。

商業と学術における 2 つの独立した取り組みによって、世界最大の死因である心臓病の低減に少しずつ近づきつつあります。アンドリュー ウン (Andrew Ng) 氏率いるスタンフォード大学チームと、シリコン バレーのスタートアップが、AI を駆使して異常の検出を向上させ、診断の精度を高めようとしています。

米カリフォルニア州マウンテン ビューに拠点を置く医療機器メーカーの AliveCor は、Apple Watch に内蔵されたセンサーを使用してユーザーが心拍数を観察できるようにするため、ディープラーニング AI アルゴリズムの開発を進めています。さらに、Apple Watch アプリとセンサーが組み込まれた専用バンドを使用して、即座に心電図を記録するようにユーザーに知らせることも可能です。

AliveCor はすでに、同社の KardiaMobile デバイスによって心電図の分野で成果をあげています。このデバイスをスマートフォン アプリと組み合わせて使用すると、心電図を記録して解析することができます。5 年前に発表されたこの製品の基盤となるディープラーニング モデルは、AWS 上の NVIDIA Tesla GPU クラスターでトレーニングが行われたもので、ユーザーの心臓のプロファイルを作成し、その後記録された心電図をそのベースラインと照らし合わせます。

このアプリはほかにも、新たに別の人がデバイスを使用するとそれを自動的に検知し、メイン ユーザーのプロファイルの整合性を維持します。

心電図の記録が必要なタイミングを特定

AliveCor は、FDA 承認を取得した新しい KardiaBand 製品とともに、KardiaMobile を根本から小型化し、Apple Watch バンドに組み込んで、Watch の多数のセンサーと結合しました。しかし、同社のエンジニアリング担当バイス プレジデントであるフランク ペッテルソン (Frank Petterson) 氏は、KardiaBand の本当のイノベーションは SmartRhythm と呼ばれる AI プログラムだと言います。

NVIDIA Tesla V100 AI アクセラレータでトレーニングが行われた SmartRhythm は、心拍数をユーザーの現在の活動やその他の要因と相関させることができます。そのため、たとえば異常な測定値がその状況に当てはまるものか、それとも問題の兆候かを判定することが可能です。

ペッテルソン氏は次のように説明します。「ユーザーの Apple Watch で 1 日中ニューラル ネットワークを 5 秒ごとに走らせて、測定したすべての心拍数と活動データを分類することが可能です。それらのアルゴリズムは、パターンが理に適っているかどうかを推測し、そうでない場合は心電図を記録するように通知できます。」

同氏は、次に AliveCor がそのテクノロジを何に応用する計画かは公表できないとしながらも、心電図を利用して電解質レベルを読み取ることで、先天性 QT 延長症候群のいくつかのケースを予防する可能性を探る研究を、Mayo Clinic と共同で進めることを示唆しました。先天性 QT 延長症候群とは、スポーツ選手などの一見健康な人が、失神や、最悪の場合急死に至る疾患です。

「心電図については、ほとんどの人が評価するよりも多くのデータがある」と、ペッテルソン氏は指摘します。

アンドリュー ウン氏が主導する心電図の取り組み

一方、スタンフォード大学では、非常勤教授であり Baidu の元チーフ サイエンティストであるアンドリュー ウン氏率いるコンピューター科学者チームが、AI ベースのアルゴリズムを心電図の読み取りと解析の自動化に応用する研究を進めています。同チームの目標は、不整脈の診断を促進し、その精度を高めるとともに、医療スタッフの負荷を軽減して、より要求の厳しいケースに集中できるようにすることや、患者により多くの時間をかけられるようにすることです。

AI 利用の典型例としては、人々が独自のやり方から脱却できるようにすることが挙げられます。

「心電図をとる病院では、今でも医師が手作業で心電図を読み取っています」と、ウン氏チームの博士課程の学生であるアウニ ハヌン (Awni Hannun) 氏は指摘します。

ハヌンさんとチームは、心臓の異常活動を検出する心臓モニタリング用ウェアラブル デバイスのメーカーであり、心電図の過去データを大量に保有する iRhythm と提携し、両グループ共同で不整脈検出プロセスの自動化を目指すことにしました。

両グループはその後、3 万人を超える患者から匿名化された 30 秒間の心電図 6 万件分のデータセットを収集し、大学の NVIDIA GPU クラスターで 34 層構造のディープラーニング モデルを改良しました。

これまでのところ、昨年発表された論文で詳述されたこのモデルは、14 種類の不整脈を識別できるようになり、患者の心臓で起こっていることを示すより明確なイメージを心臓専門医に提供するまでになっています。心電図の記録がこのモデルに読み込まれると、一流の心臓専門医による解析との照合が行われ、どちらがより精度が高いかが検証されます。

このモデルは各心臓専門医の大半をしのぐ結果を出していますが、チームはこのモデルより優れた心臓専門医がいる限りアルゴリズムの改良を続ける、とハヌン氏は言います。

そして、同氏は次のように続けます。「不整脈の検出精度によって、適切な治療が受けられるかどうかが決まります。最高の専門医よりも高い精度が得られるようになるまで、パフォーマンスの追求を投げ出すわけにはいきません。」


Tony Kontzer

Tony has been writing about technology and business since a stint at the San Jose Business Journal in the mid-1990s. He began his freelance career in 1996 and over the years has written features, news reports and blog posts for publications such as CIO Insight, Baseline, Investor's Business Daily and Wired Magazine. He has also written white papers, case studies, Web site content, and marketing collateral pieces for companies such as Oracle, Hewlett-Packard, VMware, Computer Associates, Genesys Telecommunications Laboratories and Oxford Economics. From 2000-2006, he was a senior editor at InformationWeek, where he covered technologies such as CRM and storage, as well as IT in the travel and hospitality industry. A 1988 graduate of the University of Missouri-Columbia School of Journalism, Tony spends his spare time scheming about the future with his wife, playing with his three sons, tinkering around his home in Albany, Calif., and, when time allows, playing saxophone and traveling. His somewhat irregular Twitter posts can be found at http://twitter.com/tkontzer.

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