110インチの家庭用テレビが登場し、スタジアムには幅30メートルものディスプレイが置かれる時代になりましたが、『大きいことはいいこと』は必ずしもそうではなく、大きく出るためには小さくしたほうがいい場合もあります。
NVIDIAの新製品、NVIDIA NVS 810グラフィックス・ボードはごく小さなパッケージに入っています。でも、出力は大きく、マルチディスプレイのデジタル・サイネージを実現することができます。その接続性は破格としか言いようがありません。mini-DisplayPort 1.2コネクタが8個も用意されているのです。どのコネクタからも4K解像度のディスプレイが駆動できますし、接続したディスプレイ同士は同期させることができます。これは業界初の快挙です。
NVIDIAにはQuadroシリーズとNVSシリーズのグラフィックス・カードとディスプレイおよびデスクトップの管理が行える製品各種がありますが、NVS 810はその最新製品となります。注目を集めるデジタル・サイネージ用大型ディスプレイの多くは、このようなプロフェッショナル向けGPUが支えています。
世界最先端のGPUアーキテクチャ、NVIDIA Maxwellを採用したNVS 810は、デジタル・サイネージ業界で頼られる存在になることでしょう。驚きの高解像度で壁のような巨大ディスプレイを駆動し、イマーシブなビジュアル体験を実現してくれるからです。
NVS 810カードはシングルスロット設計ですし、MosiacやWarp & BlendといったNVIDIA DesignWorksテクノロジにも対応しているので、ひとつのシステムに複数のカードを搭載し、費用対効果の高い形で巨大なデジタル・サイネージを駆動することが簡単に行えます。
身近になった4Kサイネージ
ケンタッキー州チャーチルダウンズにある世界最大の4Kディスプレイでも、プロバスケットボールやプロホッケーの競技場で使われているフルコートのプロジェクションでも、NVIDIAのGPUが使われています。
このほかにもNVIDIA製品が採用されているデジタル・ディスプレイがいろいろとありますが、それらは、多数の小型ディスプレイを並べたサイネージとなっています。オーストラリア、メルボルンのモナッシュ大学にあるぐるりと囲むように広がる330度のスクリーンもそのひとつです。ロンドンのテート・モダン近代美術館にある幅6.5メートルのタッチスクリーン式近代美術年表も、NVIDIAのGPUが支えています。シカゴのノースウェスタン大学にあるイマーシブな巨大3Dウォールもそうです。いずれも、シームレスな接続性と同期機能によって実現されています。複数のディスプレイ出力をひとつのデスクトップとして取り扱い、セットアップがシンプルにできるMosaic TechnologyとQuadro Syncを組み合わせれば、このように同期されたシームレスなディスプレイ・ウォールを簡単に構築・管理することができます。あとは、どのようなアプリケーションでも、ウォール全体にNVIDIA GPUで高速表示すればいいのです。
NVIDIAの他製品と同じように、NVS 810も、nViewやNVWMIをはじめとする各種ツールをサポートしているので、シンプルなやり方で画像を管理したり、リモートでGPUを管理したりすることができます。
NVS 810は、今月、米国および欧州の正規販売店であるPNYを通じて発売され、その後、順次、世界各地のOEMパートナーやチャネルパートナーを通じて販売していく予定です。