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米国、エクサフロップ・スーパーコンピュータの構築を計画

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科学計算の世界をリードするため、米国は、エクサフロップ・スーパーコンピュータの構築をめざす大統領令にバラク・オバマ大統領が署名しました。

それが、スーパーコンピュータのパフォーマンスと電力効率をかつてない驚きのレベルまで引き上げるNSCI(National Strategic Computing Initiative)です。その中で、GPUにはふたつの役割が期待されています。

エクサフロップ・スーパーコンピュータというのは現在最速のコンピューターの30倍ほどのパワーを持つマシンで、その実現には新しいテクノロジが必要となります。このようなマシンをCPUで構築すると、2ギガワットもの電力を消費します。これは巨大なフーバー・ダムの発電量に匹敵する電力です。

この問題を解決してくれるのがGPUです。CPUと違い、GPUは、小型で効率的なコンピューティング・コアをたくさん並べた構造となっており、同じ消費電力で比べると10倍近い操作をこなすことが可能です。

エクサフロップのスピードに到達できるほど効率的なマシンが完成すれば、大きな成果が期待できます。たとえば、人間の脳がどのように働いているのかを解析したり、オーダーメード医療につながるブレークスルーを実現したりできる可能性があるのです。

すでに重要な役割を担っているGPU

NSCIは、いま、米国エネルギー省、国防総省、アメリカ国立科学財団が進めているプロジェクトの延長線上に来る構想です。GPUは、すでに重要な役割を果たしています。昨年11月、米国エネルギー省は、GPUを活用するスーパーコンピュータ、2基を構築する計画を発表しました。

超高速のスーパーコンピュータは核融合炉といった新技術の開発においても鍵を握ります。

超高速のスーパーコンピュータは核融合炉といった新技術の開発においても鍵を握ります。

コンピューティング・パフォーマンスがエクサフロップには到達していないが100ペタフロップス以上のものをプレエクサスケール・システムと呼びます。そのようなシステムのひとつが、オークリッジ国立研究所のSummitシステムです。オープンサイエンス用に設計されたこのマシンは、150ペタフロップスの処理能力を発揮すると期待されています。これでも、現在最速のスーパーコンピュータのピーク・スピードの3倍以上です。

スーパーコンピュータの能力向上をめざしているのは米国だけではありません。中国など世界各国もエクサスケールに狙いを定めてしのぎを削っています。その中で米国の一番乗りをめざすのがオバマ政権のNSCIというわけです。

新しいアーキテクチャ

マシンの処理速度を高めるには、その構築方法から考えなおす必要があります。たとえば、NVIDIAが開発している高速なNVLinkインターコネクトという新技術がありますが、これは、スーパーコンピュータに組み込まれたCPUとGPUのデータ交換速度を5倍から12倍程度に高速化することができます。NVLinkは、オークリッジ国立研究所の次世代Summitシステムでもローレンス・リバモア国立研究所のSierraシステムでも、重要な役割を果たすものと期待されています。

NVLinkでは、スーパーコンピュータに搭載されたCPUとGPUのデータ交換速度が5倍から12倍と速くなります。

NVLinkでは、スーパーコンピュータに搭載されたCPUとGPUのデータ交換速度が5倍から12倍と速くなります。

NCSIで重視されるものに、開発者の生産性とポータビリティがあります。この点について、NVIDIAは、先日、OpenACCのツールキットを発表しました。これを使うと、x86 CPUを使う場合でもGPUを使う場合でも、並列プロセッサのプログラミングをきわめてシンプルに行うことができます。OpenACCならひとつのコードをさまざまなエクサスケール・アーキテクチャで走らせられるので、パフォーマンスのポータビリティも確保されます。

新しいアプリケーション

この分野には、各方面から大きな期待が寄せられています。新型スーパーコンピュータが完成すれば、夢に過ぎなかった新たなアプリケーションが可能になるからです。たとえば、欧州委員会が進める「ヒューマン・ブレイン」というプロジェクトがありますが、ここでは、エクサフロップ・コンピュータを使って人の心の働きを解析できるのではないかと考えられています。米国ホワイトハウスも「プレシジョン・メディシン」という構想でいわゆる精密医療を推進しようとしていますが、これも、スーパーコンピュータを活用してオーダーメード医療の推進を加速しようというものです。

スーパーコンピューティングには、楽しみな未来が広がっていると言えるでしょう。


Ian Buck

VP of Accelerated Computing business unit, which includes all hardware and software product lines, 3rd party enablement, and marketing activities for GPU Computing at NVIDIA. Ian joined NVIDIA in 2004 and created CUDA, which remains the established leading platform for accelerated based parallel computing. Before joining NVIDIA, Ian was the development lead on Brook which was the forerunner to generalized computing on GPUs. He holds a Ph.D. in Computer Science from Stanford University and B.S.E from Princeton University.

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